ベイスターズはいかにして下剋上を成し遂げたのか? 三浦大輔監督が明かした「横浜進化」の内幕
── キャプテン1年目の牧秀悟選手は、背中やプレーでチームを引っ張っていきたいと当初語っていましたが、シーズン後半からポストシーズンにかけては、プレーはもちろん自分の言葉でしっかりと問いかけ、チームをひとつの方向へ向かせる存在として成長しました。 三浦 苦しんでいた時期もあり、負担をかけてしまっているなと感じることもありましたが、筒香や佐野(恵太)といったキャプテン経験者がサポートしてくれました。牧自身も、もっと成長しなくてはいけないと、筒香たちにアドバイスを求めるなどしていたそうです。キャプテンとして大きく成長してくれたと思います。 ── 筒香選手の存在は、三浦監督から見ても大きかったですか。 三浦 もちろんです。筒香がいるだけで、チームが引き締まるというか、最初は本人もかなり気を遣いながらやっていたとは思いますが、目標であるチームが優勝するためというところで、自分の役割を理解しながら最後まで戦ってくれました。 【胴上げの時に見た最高の景色】 ── ペナントレースしかり、日本シリーズ制覇へ向かうにあたりケガ人も多く出ました。三浦監督は「無理をして出てもらっている選手もいる」とおっしゃっていましたが、心身ともにギリギリの勝負でしたね。 三浦 レギュラーで出ている選手でも、どこかにテーピングをしていたり、ケガを抱えながらプレーしている選手がほとんどでした。まあ、それぐらいの気持ちでないとレギュラーとして戦えないですから。ポストシーズンを見れば(タイラー・)オースティンは足の甲を痛めたなかでも、できることを最大限やってくれましたし、CSファーストの初戦で左腿裏を痛めた東(克樹)は、離脱しながらも「日本シリーズに間に合わせます」と、本来1カ月かかるケガを、トレーナーとともに回復に努め2週間ほどで復帰し、日本シリーズで勝利に導いてくれました。本当にみんな、いっぱいいっぱいだったと思います。