BTSのJINは除隊したけれど…「超少子化」に喘ぐ韓国で、女性・老人・孤児や脱北者までもが兵役の対象となる可能性
常備兵力50万人の維持は不可能
8年連続で前年を下回る未曾有の「超少子」を前に韓国国防部が兵力確保に苦心している。 【写真】韓国「世界最低の出生率」更新へ…! 日本よりも深刻な「超少子化」の原因 兵力不足により、「国威宣揚」に寄与した芸術家やアスリートなどの入隊を免除する「兵役特例」の廃止が検討入りし、身体検査などを通じた「入隊免除」の基準も大幅に強化される予定だ。兵力確保のために、中高年層の男性の再入隊を推薦しようという声や、女性の徴兵も避けられないという意見もある。 2006年、韓国国防部は兵力中心から技術集約型軍隊への転換を掲げて国防改革に乗り出し、「国防改革に関する法律」を制定した。ここには「常備兵力の規模は2020年までに50万人水準を目標とする」という内容が含まれている。 当時、韓国軍の常備兵力は70万人ほどだったが、今後も50万人は維持しなければならないと規定したのだ。そして、2021年にも「2027年まで50万人を維持する」という目標を再び確認した。しかし、超少子化の影響で若い男性の人口が急減したことで、2017年まで60万人台を維持していた常備兵力は、2021年には51万人、22年には48万人へと落ち、50万人維持の目標が揺れた。 すると2023年7月、国防部は、常備兵力規模を具体的に定めず、「利用資源を考慮して安保脅威に対応できる範囲内で適正水準を維持するようにする」という内容の法律改正案を立法予告した。今後、50万人の確保は絶対不可能だということを認識した結果だ。 その一方で、兵力資源の急減に対する危機意識も高まり、常備兵力の確保のための様々な工夫が登場した。 国防部はまず、「体育・芸術人に対する兵役特例制度の廃止」の検討に入った。体育・芸術人に対する兵役特例制度とは、国威宣揚に寄与した芸術人やアスリートを対象に服務を免除する制度だ。具体的には、アスリートではオリンピックの3位以上とアジア大会の1位までが、芸術人では30の国際芸術競演大会の2位以上、5つの国内競演大会の1位、国家無形文化財伝授者が対象となる。 2020年9月、BTSが韓国アーティストとして初めてビルボード「HOT100」の1位を記録したことを契機に、K-POPアーティストをはじめとする大衆芸術家も兵役特例対象に含む、別名「BTS兵役特例法」が国会で発議された。 だが、若い男性を中心に「兵役特例こそが不公正な制度」という反発が強まり、兵力難に苦しめられている軍の状況まで加わり国会は右往左往するようになる。結局、BTSメンバーが全員「自主入隊」を決定したことでこの法案は自動廃棄されてしまった。