MicrosoftのAI活用パソコン「Copilot+ PC」は、【とにかくパワフル】が売り!
パワフルで効率的なパソコンと聞いてまず思い浮かぶのは、AppleのMacBookかもしれません。 けれども、AIツールとの連携を目的に設計されたパソコンとなると、おそらくMacBookは、リストの下位に転落するでしょう(AI用パソコンと問われて、思い浮かぶ名前があるとすればですが)。 そうなると、Appleのライバル製品にとってはチャンス。自社のノートパソコンが、たいていのタスクにおいて、MacBookよりパワフルで効率的というだけでなく、最新のAI機能を生かすために必要なテクノロジーを備えていると、アピールするチャンスですから。 Microsoftが、先ごろ発表した「Copilot+ PC」ラインナップでやろうとしているのは、まさにそれです。
Copilot+ PCは「Qualcomm製チップ」を搭載
「Copilot+ PC」とは、Microsoftの新しいAI活用パソコンの製品群。 Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsungが製品を提供するほか、もちろんMicrosoftからも、Surfaceシリーズとしてリリースされます(Surfaceについては、のちほど詳しく説明)。 Surfaceの新モデルを含むこうしたパソコンの多くが、ArmベースのQualcomm製プロセッサ「Snapdragon X Elite」または「Snapdragon X Plus」を搭載しており、MicrosoftとOEM各社は、これらがユーザーをAppleから引き離す武器になることを期待しています。 「Plus」のCPUは10コア構成、「Elite」は12コアです。GPUは、モデルによって3.8テラフロップスか4.6テラフロップスになります。 Snapdragon Xを搭載する大きなメリットは、少なくともMicrosoftにとっては、このプロセッサのニューラルプロセッシングユニット(NPU)にあります。 AIの演算処理を担うNPUは、PlusとEliteともに、45TOPSの性能があり(TOPSは、1秒間に実行できる演算回数を1兆回単位で表したもの)、Qualcommによると、オンデバイスで130億超のパラメータを処理できます。 目玉はチップセットだけではありません。Windows 11自体も改良されています。Microsoftは、CPUとGPU、そして今ではNPUの能力を最大限活用するべく、OSのアーキテクチャを再設計したと説明しています。 また、チップがArmベースになったため、増え続けるArm64対応のアプリも動かせるようになりました。 Microsoftは当然、「Microsoft 365」で提供しているTeams、PowerPoint、Word、Excelなどの自社アプリに焦点を当てていますが、そのほか、ChromeやSpotify、Zoom、WhatsAppなどのアプリにも触れています。 また、Adobe(Photoshop、Lightroom、Expressなどのアプリを提供)のような企業や、DaVinci Resolve Studio、djay Proなどのアプリとも提携しています。 Microsoftが、Appleをターゲットにしていたのは明らかです。 MicrosoftによるとCopilot+ PCは、15インチのMacBook Airと比較して、マルチスレッドの持続能で最大58%上回るとのこと。 また、ライブデモも実施し、新しい「Surface Laptop」が、M3チップを搭載したMacBook Airに比べて、Photoshopのプロジェクトを高速で処理できることを示しました。 Microsoft just did a live batch photo editing comparison between their new Surface Laptop and the MacBook air M3. Theirs handled the job almost twice as fast ... Love when tech companies directly address the competition #MicrosoftEvent pic.twitter.com/V2l4oRuqL3 — Rich DeMuro (@richontech) May 20, 2024