カルチョに吹く「攻撃サッカー」の風【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
プロビンチャ勢の多くも守備よりも攻撃に重きを
1試合・1得点を超えるペースでゴールを量産中のインモービレ。その決定力でラツィオを望外のスクデット争いまで押し上げている。(C)Alberto LINGRIA
ストライカーたちがゴールを量産し、多くのクラブが積極的なスタイルを採用。今シーズンのセリエAには「攻撃サッカー」の風が吹き荒れている。守備を最大の特徴としてきたカルチョで、一体なにが起こっているのか?(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2020年2月20日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― イタリアでは長い間、「スクデットを勝ち取るのは失点が最も少ないチームだ」という定説が信じられてきた。実際、2007―2008シーズン以降のセリエA優勝チームは、すべてリーグ最少失点だ。 しかし、今シーズンは様相が違う。得点が、そしてそれを叩き出すストライカーがこれほど重みを持ったカンピオナートは、おそらく史上初だろう。かつてのカテナッチョ、そして近年も他国とは比較にならないほど緻密な守備戦術を特徴と
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