「萩生田さんをみんなでいじめて…でも負けやしない」誇りだった‟八王子の元ヤン”激戦東京24区に市民大困惑「いや地元の恥だ」
「八王子の恥ですよ。別にこの人じゃなくてもいい」
応援といえば萩生田氏、非公認にもかかわらず自民党関係者も多数駆けつけた。非公認とは何なのか、という感じだが、この日は有村治子参院議員が「党の公認なくても八王子の公認」と演説した。 故・安倍晋三元首相の妻、安倍昭恵氏も別の場で「主人(安倍元首相)の魂といっしょに来た」と講演、SNSのXでも「萩生田光一さんには何としても当選してもらいたい・・・と主人(安倍元首相)が思ってるはず」とポストするなど、萩生田氏全面応援の立場を明確にしている。 しかし厳しい声もあった。萩生田氏に抗議するため「ウラ金」など書かれたポスターを手にした者の姿や「裏金!」といったヤジが飛ぶたびに警察やSP、選挙運動員らに動きが出る。少し離れた八王子駅北口にいる若者に話を聞くと一人だけ、こう話してくれた。 「八王子の恥ですよ。別にあの人じゃなくてもいい」 この会話を聞いていたのか、別の高齢男性が小声で苦笑した。 「あの人(これまでの選挙では)、そんなに八王子のことなんか言ってなかったよ。調子いいんだ」 しばらくして「勝つぞー!」と萩生田氏らのシュプレヒコールが起こった。どうやら終わりのようだ。
20代の市議会議員時代からどぶ板選挙を厭わない百戦錬磨
日を改めて、旧知の八王子市議会関係者に話を聞く。 「今回の萩生田さんはなりふり構わない選挙戦だ。有村治子、安倍昭恵、そして丸川珠代や櫻井よしこも応援するなどまあ、わかる人にはわかる、正体バレバレだがそれでいい、という考えなのだろう。八王子の古くからの支持者と特定の団体といったコア層の支持者で乗り切ろうという算段だ」 東京24区の有権者は約38万人いる。都市部は浮動票が鍵を握る。それで勝てるのか。 「野党が1本化できなかったことは最大の失敗だと思う。立憲、維新、国民、参政、無所属で食い合ってしまう。20代の市議会議員時代からどぶ板選挙を厭わない、百戦錬磨の萩生田さんはやはり強い。まして相手は落下傘候補ばかり」 立憲民主党は有田芳生氏、日本維新の会は佐藤由美氏、国民民主党は浦川祐輔氏、参政党は與倉さゆり氏、そして無所属の畑尻文夫氏が出馬している。確かに一部報道でも「乱立」とある。 「新人や元職が乱立すると現職が有利だ。せめて萩生田さんくらい生粋の八王子出身なら、と思うが。高齢者を中心に地元民かどうか、そういうのを気にする層も多い」 確かに萩生田氏も先の演説で「批判のためにこの八王子を選んだ人たち」「批判をするためだけに選挙区を選んだ」と指摘している。 しかし「よそ者とか関係ない」とする八王子市議会関係者もいる。筆者の知る八王子市民の多くも聞く限り「そういう話ではない」と口々に反発していた。その市議会関係者は「やりたい放題」「あれだけのことをしておいて」と憤る。