給与が20%上がっても転勤はイヤ!?最新の調査結果から日本の年収事情を探る
「新しい資本主義実現会議」で「副業・兼業」が当たり前の時代に?
本業以外に収入源を増やそうと「副業」や「兼業」をはじめようと考える人もいるのではないでしょうか。 本章では、「新しい資本主義実現会議」に注目し、副業・兼業の課題についても見ていきます。 ●新しい資本主義実現会議について 2024年6月7日、第28回会議が開催されました。 会議の中で「副業・兼業が認められている割合は過半数に達した」との報告もあり、今や副業・兼業が特別な存在ではなくなりつつあるということが分かります。 会議では、これからも「更なる導入加速を図るべき」とされており、今後ますます副業や兼業が推し進められていくものと考えられます。 しかし、従業員が副業や兼業を始めるにあたり、課題も見えてきています。 ●副業・兼業の課題 企業が副業・兼業制度を認めるにあたって、どのような課題が存在するのでしょうか。 副業・兼業で労働時間を通算させることにより、法定労働時間を超える部分には割増賃金が必要になります。 労働時間を計算するためには異なる企業間で労働時間を共有する必要があり、副業・兼業に関する法律に従った運用が複雑で難しいことが課題の1つと指摘されています。 また、割増賃金を負担する企業側の抵抗が懸念されるという点も課題の1つです。 ●今後の注目点 副業・兼業の注目点として、複数の企業にわたって働くという都合上、社員の健康管理の問題など、労働時間の課題が大きいことがあげられます。 しかしながら、スキマバイトなどが普及している背景もあり、副業・兼業は今後も急速に広まっていくでしょう。 3年後には、もはや副業や兼業が当たり前の時代が到来するかもしれません。 今後の動向に注視が必要です。
まとめにかえて
今回は、就活生と社会人の転勤に対する向き合い方から、日本の平均年収、そして副業・兼業に関しての課題を見てきました。 最初に勤めた1社が全てという時代は終わりを迎えており、これからも副業や転職、資産運用など「個」の力で稼ぐという風潮はより高まっていくでしょう。 絶対的な正解がない時代だからこそ、自分のビジョンをはっきりさせておくことが重要なポイントになりそうです。
参考資料
・パーソル総合研究所「転勤に関する定量調査」 ・国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」 ・首相官邸「新しい資本主義実現会議」 ・内閣官房「新しい資本主義実現会議(第28回)」
中本 智恵