まもなく猛暑予想の夏がやって来る!人気米コシヒカリの受難と農家の暑さ対策
ひと足早く梅雨明けして本格的な夏を迎えた沖縄県以外、日本列島の各地が梅雨に入った。2024年の梅雨入りは平年よりも遅めだったが、気象庁は、それが明けた後の猛暑を予想している。そんな暑さの影響を受けているのが、ニッポンの食を支える「米」である。
コシヒカリの歴史
お米と言えば、まず思い浮かぶのが「コシヒカリ」であろうか。人気ブランドである。戦後の食糧難の時代、収穫量が多い新しい品種の開発が始まった。そんな中で、複数の種類を組み合わせて、「越南17号」と呼ばれる品種が生まれた。これがのちに「コシヒカリ」となる。稲は倒れやすく、病気にもかかりやすかったが、とにかく根がしっかりとしていた。そして、当時の大きな目的でもあった収穫量は多かった。1956年(昭和31年)、この米は、新潟県の奨励品種に認定された。新潟は「越後(えちご)の国」と呼ばれていた。「越後」の「えつ」は「越(こし)」という漢字。「越(こし)の国で光る米の品種」ということで「コシヒカリ」と名づけられたそうだ。
新潟と言えばコシヒカリ
新潟県で生まれたコシヒカリは、富山県や茨城県など全国各地で栽培されるようになる。品種改良されたものも含めると、国内の占有率は8割以上とのこと。圧倒的なシェアを誇る。それでもやはり「コシヒカリ」と言えば「新潟」、「新潟」と言えば「コシヒカリ」。新潟県では、米の作付面積の、実に3分の2をコシヒカリが占める。しかし、その新潟県のコシヒカリがここ最近の猛暑によって、大きな打撃を受けている。
暑さによる米の粒への影響
2023年は、7年ぶりに発生したエルニーニョ現象などによって、世界的に暑い夏だった。「観測史上で最も暑い」とも言われた。その猛暑によって大きな影響を受けたのがコシヒカリだった。暑さの影響は、米の粒に表れる。「白く濁る」「大きさや形がバラバラになる」「亀裂が入る」。特に、最大の産地である新潟県は、猛暑に加えて雨が降らない渇水の被害が深刻だった。ダブルパンチである。