カフェレーサースタイルの125cc。ホイールは12インチの楽しいサイズ|CFMOTO・パピオXO-1試乗記
往年のNSR50/80やTZM50Rに通じる資質
さて、前フリが長くなったが、ここからはXO-1のインプレである。まずは率直な印象を述べると、市街地と峠道を数時間ほど走った僕は、これは全然アリだなあ……と思った。誤解を恐れずに表現するなら、振動やメカノイズ、前後サスペンションやブレーキの動きなどに気になるところは見当たらず、ホンダのグロムやクラシックウイングマークシリーズと大差ない感覚で、実に気持ちよく走れたのだ。 いや、それだけでは言葉足らずか。低めのセパハンと後方に設置されたステップのおかげで、このバイクはスポーツライディングに没頭しやすいのである。具体的な事例を記すなら、前輪の接地感が引き出しやすく、アクセルが開けやすく、加減速時の挙動変化にスムーズに対応しやすいので、6速ミッションを駆使してコーナーを攻めるのが楽しい。そしてそういったフィーリングは、往年のNSR50/80やTZM50Rなどに通じるところがあるような……? と言っても、XO-1のキャラクターは決してスパルタンではない。乗車姿勢がスポーティでも基本的な特性はフレンドリーだから、セパハンが苦手な人以外は気軽に付き合えるだろう。なおホンダの125cc・前後12インチ車と比較するなら、XO-1は車格がわずかに大柄で、エンジンはやや高回転指向だが(軸間距離は1214mm、車重は114kgで、最高出力/発生回転数は7kw/8250rpm。グロムは、1200mm、103kg、7.4kw/7250rpm)、同条件で比較しない限り、車格やエンジン特性に不満を感じることはなさそうだ。 そういった資質に加えて、ライバル勢を大幅に下回る34万9800円という価格も、パピオシリーズの魅力である(現在のホンダ製125cc・前後12インチ車の価格は、グロム:39万8000円、モンキー125:44万円、ダックス125:44万円)。もっとも近年の為替の推移を考えると、今後は変更の可能性があるのだけれど、XO-1ならではの魅力を実感した今現在の僕は、たとえ価格が数万円ほど高くなったとしても、このモデルの魅力は揺らがないと感じている。