モテたい、食べたい、遊びたい、うまいコピーは人間の欲をさりげなくくすぐる
■ 「モテたい」気持ちをくすぐるコピー 【恐怖、痛み、危険から逃れたい】 例:「どの写真で、クシャミがでますか?」(花粉症を起こす植物写真を多数載せた新聞広告) 誰もが「健康でありたい」と思っているでしょう。でも、「これで健康になります」と言われるより、「これでガンになります」と、危険そのものを示したほうが、断然、興味をひくことができます。人は危険から逃れたいという欲求を強く持っているからです。 例文として提示した「どの写真で、クシャミがでますか?」は花粉症薬の新聞広告のキャッチコピーです。モノクロ写真には花粉症を起こすさまざまな植物の写真が掲載されていました。 この広告を見た花粉症の方にとっては、まさに驚きとともに「危険から逃れたい」と思ったことでしょう。当然、キャッチコピーの下に綴られたボディコピーを熟読したはずです。 【性的快感を味わいたい】 例:「きょ年の服では、恋もできない。」 ひと昔前の夏、居酒屋さんには水着姿の美人が笑顔を振りまく「ビール広告のポスター」が貼られていました。ビールと水着女性なんて、まったく関係のない組み合わせですが、ビールのメインターゲットだった会社員男性には効果抜群でした。今では、女性軽視と思われる広告戦略です。 人間の欲求の一つに「モテたい」「性的快感を味わいたい」というものがあります。それを直球でキャッチコピーにすると、広告主の品性を疑われてしまいますが、変化球、つまり「感じさせる程度」であれば効果があります。 キャッチコピーの例の「きょ年の服では、恋もできない。」は大手アパレルブランドのものですが、新しい服を購入させる動機づけとして、上手に「モテたい」気持ちをくすぐっていますね。
■ ハズキルーペの秀逸なコピー 【快適に暮らしたい】 例:「本当に世の中の文字は小さすぎて読めない!」 人は誰しも快適に暮らしたいと思っていますが、快適じゃない日常に慣れてしまっていて、他人から指摘されないと、それに気づかない場合があります。 キャッチコピーの例として提示した「本当に世の中の文字は小さすぎて読めない!」はハズキルーペのもの。広告を初めて見たとき、老眼鏡使用者である私は「その通りだ!」と膝を打って共感しました。 iPhoneの裏に刻まれた型番の小ささに「どうやって読むんだ!」と思ったこともあります。 「あなたの生活は快適じゃない」ことをキャッチコピーでズバリ指摘し、それを解決する商品を紹介するパターンは王道の広告と言えます。