精神疲労で固まりがちな身体をケアする方法 胸椎や胸骨を柔らかく保つと自律神経が整う
眠るときには休息モード、つまり副交感神経が優位にならなければならないのに、交感神経が活発に働いてしまうのです。この切り替えがうまくいかないと、「興奮して眠れない」ということが起こります。 試合後に寝られないのは、肉体的にはそこまで深刻ではありませんが(翌日がオフであることも多いので)、何時間も眠ることができないことは精神的にはきつく、自律神経の疲労を増大させることが考えられます。 ■脳幹が酷使されてさらに疲れる
原因③ホメオスタシスの低下 自律神経の中枢(コントロール役)は、脳幹の一部である間脳の視床下部という部位です。よって厳密には、脳疲労の一部だと言えます。ただし脳疲労と精神疲労は、症状は重なる部分は多いものの、原因が異なることが多いため、回復という観点では分けて扱うほうがいいと判断しています。 自律神経も含む話ですが、私たちの身体には疲労が生じても通常の状態になんとか戻そうとする作用があります。これを専門用語で「ホメオスタシス」と言います。
これは、さまざまな環境変化や心身へのストレスから身体を守るために重要な作用である一方、脳(特に脳幹)に大きな負荷をかけます。疲労自体が脳幹のハードな働きを要求し、さらに脳疲労を引き起こすためです。 脳幹が酷使され、疲労して働きが低下すると、ホメオスタシスが低下します。全身の疲労が回復しにくく、疲労が蓄積されていく状態に陥ります。 ●症状 胸骨や胸椎、後頭部などが固まる こうした精神疲労による悪循環の背景には、交感神経が働きっぱなしになっている状態があります。先ほど説明したように、交感神経が働きっぱなしの状態が続くと、胸骨や胸椎、後頭部、そしてお腹が固まるなど身体に症状が現れます。
問題は、これらの部位が一度固まってしまうと、スムーズに自律神経の切り替えができる状態に戻すのが大変なことです。そうならないように、ふだんから胸骨や胸椎、後頭部、そしてお腹を固まりにくくする必要があります。 また、固まったことをすぐ感知できるようにするなど、回復能力が高まる身体づくりが不可欠です。交感神経メインの状態を、副交感神経メインの状態へと切り替えられる身体になっていけば、回復能力は向上します。