動物も人も愛護、「セーブ・ザ・ダック」CEOが語る「ビジネス、規制、ESG」
伊「セーブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)」は帝人フロンティアと共同出資して5月にセーブ・ザ・ダック・ジャパンを設立した。日本での事業拡大に向け来日したニコラス・バルジ=セーブ・ザ・ダック最高経営責任者(CEO)に日本でのビジネス戦略やブランド設立の経緯、動物・人・環境に配慮したビジネスについて聞いた。 【画像】動物も人も愛護、「セーブ・ザ・ダック」CEOが語る「ビジネス、規制、ESG」
WWD:ジャパン社設立にあたり帝人フロンティアと組んだ理由は?
ニコラス・バルジ=セーブ・ザ・ダックCEO(以下、バルジ):帝人フロンティアは2012年の創業当初から生地や素材の供給を受ける、最も重要な素材サプライヤーの一つだった。帝人フロンティアとはESGの観点から同じコンセプトやアイデアを持っていた。日本市場の開拓の際にも、まずは代理店として2020年秋冬物から協業した。ビジネスが順調に成長したため共同出資によるジャパン社を設立した。出資比率は本国が51%、帝人フロンティアが49%だ。
WWD:日本事業の今後の計画は?
バルジ:これまで日本では伊勢丹や高島屋といった主要百貨店を中心に50~60平方メートルのポップアップストアを開きビジネスを成長させてきた。秋冬期間は42カ所、春夏は20カ所程度、期間は長いところで10カ月、短いところは1週間程度。今後、この規模の店舗を5店舗程度オープンする予定だ。現在注力しているのは来冬に路面店を開けること。銀座エリアを検討しているが、場所が見つからなかった場合は表参道エリアも候補に入れる。
WWD:現在のビジネスの状況を教えてほしい。
バルジ:42カ国に販路を持ち、昨年の売上高は6400万ユーロ(約105億6000万円)。今年は7200万ユーロ(約118億8000万円)を予定している。本来はもう少し高い数字を掲げていたが欧州の状況がかなり厳しい。特にドイツ、オーストリア、スイス、フランス、北欧が厳しく卸売事業は昨年比12%減だった。一方直販事業は同30%増。今年は過去2年に比べて、欧州の冬の始まりが早く天候が味方している。