出演者の男女比を50:50に。NHK「あさイチ」制作陣が気づいた「テレビは多様性に配慮するともっとおもしろくなる」という事実
女性を探す努力を惜しまない
ーーこの分野の権威は、絶対的に男性、または女性ってことはおそらくなくて、探しさえすれば、性別に関わらず適任と言えるスペシャリストはいらっしゃるのだと感じました。むしろ、新たな才能を発掘するきっかけになりそうです。 望月:BBCからも、「探せばいるし、ちょっと余力があるときに、特定のジャンルで新しい声を探すのは、テレビにとってすごくいいことですよ」っていうアドバイスをされました。日頃からアンテナを張って、努力をして、より新しい多様な方に出演していただく中で、コンテンツはより豊かになると感じます。 ーー他の参加番組からも、この取り組みを始め、男女比を意識するようになった結果、取り上げるエピソードのバリエーションが広がったという声があがっているそうですね。BBCも、この取り組みの意義として“新しい多様な声”を探すことをあげているそうですが、まさにその例と言えそうですね。 望月:限られた時間の中で制作していくので、労力を省こうとすれば、ラインナップに上がってくるのは過去の実績のある男性が多くなるのは事実かもしれません。でも、そのままにしていると、例えば医学の難しいことをやっているのは男性なんだなっていうことを、番組として伝えたいこととは別で、刷り込みをしてしまうかもしれません。『あさイチ』では、テレビ出演歴が浅くても、むしろ女性を積極的に探していこうっていうのは、コンセンサスはとれているのかなと思います。
撮影/市谷明美 文・構成/ヒオカ
ヒオカ