「中国産食品を闇雲に避ける人」が知らない意外な事実、「中国産=危険」は大きな誤解と言える根拠
■輸入品検査の違反率は他国より低い これらの結果、中国産食品の安全性は高まり、厚生労働省の輸入食品検査での違反率は、他国も含めた平均違反率よりも低くなりました。その状況が10年以上続いています。 輸入食品については現在、輸出国段階と輸入時、国内の流通時という3つの段階安全確保策がとられています。輸出国政府が日本向けの生産や加工などを指導したり証明書発給などをしており、日本の厚生労働省も相手国と協議して対策を講じたりしています。
輸入時には、厚生労働省が「輸入検疫」として事業者に書類を提出させチェックし、検査もしています。国内では、都道府県などが店頭の食品を検査するなどして、違反品を見つけています。 これらの調査結果などを見る限り、国産食品と輸入食品に安全性の違いはありません。 私は餃子事件の後、何度か中国を訪問して日本向け野菜の栽培地や冷凍加工工場などを視察しましたが、日本国内の工場よりも安全管理のレベルは上、と思うことがしばしばありました。中国人と日本人が共同で取り組んでいるのです。
日本の食料自給率はカロリーベースで38%しかありません。日本で休耕地を農地に変え生産をがんばったところで、日本の1億2000万人強の食品生産をまかなうにはまったく足りません。 水産物も十分な量はとれません。輸入食品、中国産食品も、日本人の食卓を助けてくれる大切なパートナーです。偏見のない目で見てゆきましょう。 ■農薬や食品添加物は「体に悪い」のか 農薬や添加物もまた「危険」というレッテルを貼られがちです。
農薬や食品添加物は化学物質の一種であり、どれくらい摂取するかによって体への影響が大きく変化します。そのため、安全性の確認は、非常に慎重な手続きによって行われます。 まず、複数の動物に食べさせる試験を行って、「その動物が毎日食べてもどこの臓器や体の部位にも悪影響が認められない、体重1㎏あたりの量」を求めます。このとき、通常はマウスやラットというネズミの仲間などを用いて試験をします。この量を「無毒性量」と呼びます。