名古屋の中心地一帯が「自動車の昨日、今日、明日」に包まれる|コッパ・チェントロ・ジャポーネ2024
秋晴れの10月14日(月・祝)に今年も「コッパ・チェントロ・ジャポーネ」が開催された。「チェントロ」とはイタリア語で「中心」を指す語。そう、このイベントの舞台は日本の中心にある名古屋市、そしてさらにその中心部にある久屋大通公園と名古屋市役所だ。 【画像】名古屋の中心部にガンディーニが手掛けた名車他、選りすぐりのクラシックカーがずらりと並ぶ(写真7点) 久屋大通公園内の広範囲にわたり開催されたのはコンコルソ・デレガンツァ。エリアごとに設けられたテーマに沿って車両が展示された。ラルフ ローレン前広場は「Class-A: WRC Legend Rally」、ミズベヒロバは「Class-B: Tribute Marcello Gandini」、中部電力MIRAI TOWER前広場は「Class-C: Dream of Trino」、中部電力MIRAI TOWER下は「ClassD-1: Born in 1954」、テレビトーヒロバは「Class-D-2: Made around 1954」「Class-E: Pre-War Cars」「Class-F: Mini-Car」というラインナップである。 ●ガンディーニへのオマージュ 中でも注目を集めていたのはミズベヒロバでの「Class-B: Tribute Marcello Gandini」の展示。全長約80mの水盤に映るテレビ塔が写真映えする場所として通常時でも人気のスポットだが、今回はこの水場に故マルチェロ・ガンディーニが生み出した車が並べられたのだから、このイベントを目当てに来場した観客はもちろんのこと、偶然通りがかった人も立ち止まらずにいられない。 アルファロメオ・モントリオールを先頭に、ランボルギーニ・ミウラ、ランボルギーニ・カウンタックLP400、ランチア・ストラトス、マセラティ・カムシンなど往年のスーパーカーからシトロエンBXまで、ガンディーニへのオマージュを捧げるべく、彼が手掛けたモデルが2列に並ぶ。スーパーカー世代の大人のみならず、現代の車とは異なるデザインが新鮮なのだろう、多くの子ども達がカメラを向けている姿が印象的だった。 「ClassD-1: Born in 1954」では1954年に完成した名古屋テレビ塔(現・中部電力 MIRAI TOWER)の70周年を記念して、タワーの真下には同年に生まれた車やモーターサイクルが並べられた。 また、午後には名古屋市役所をスタートする「グラン・プレミオ・サカエ」が開催され、愛知県警察の三菱GTOパトカーの先導で100台を超える車が名古屋の中心部を駆け抜けた。コンコルソ・デレガンツァの「静」の展示と、ツーリングの「動」の相乗効果により、多くの人で賑わう名古屋の中心地がこの日はイベントテーマの「自動車の昨日、今日、明日」一色に染められた。 ●the BEST of Showに輝いた車は? コンコルソ・デレガンツァでthe BEST of Showに輝いたのは1969年ランボルギーニ・エスパーダ400GT Sr.1。幼少期のファミリーカーがエスパーダで、家族で海や山へ出かけた思い出の車だというオーナーの久世さん。やがて大人になり、エスパーダの面影を求めてV12エンジンを搭載したランボルギーニの新しいモデルも購入したが、当然ながら幼少期に父が乗っていたランボルギーニとは乗り心地からして違っていた。いつかエスパーダに乗りたいと20年間探し続けてようやく巡り合えたのがこの車なのだという。「乗った瞬間に、しっくりきたんです。エスパーダは僕の“ふるさと”なんです」と久世さんは語ってくれた。やはり車との巡り合いは縁。収まるべきところに収まったこのエスパーダがthe BEST of Showを獲得したのも納得である。 2025年は名古屋市がトリノと姉妹都市提携を結んでから20周年であることから、コッパ・チェントロ・ジャポーネでは、より大きな規模でのトリノ生まれの車たちの参集を計画しているとのこと。来年のコッパ・チェントロ・ジャポーネにも期待したい。
Octane Japan 編集部