「1時間に50個」も!? 年明けにピークを迎える天体ショー「しぶんぎ流星群」“極大日&観察のコツ” 天文台に聞いてみた
■観察に適した立地条件
流星群の観察に適した場所としては、都市部でも全天が見渡せる場所があればよいが、できれば光害の少ない環境で見てほしい。特に1月3日から1月4日にかけて山やキャンプ場で過ごす方にとっては絶好のチャンスで、より多くの流星が見られる可能性が高い。また、自宅でも空が暗くひらけていれば、手軽に観察できるのでおすすめだ。
■年末年始に現れる「しぶんぎ座流星群」とは?
「しぶんぎ座流星群」は、8月のペルセウス座流星群や12月のふたご座流星群と並び、多くの流星を観察できることで知られている。条件がよければ、ピーク時で1時間に50個以上の流星を確認することも可能である。 「しぶんぎ座流星群」は、その名前にある「しぶんぎ座」が現在存在しないにもかかわらず、放射点(流星が空に放射状に流れ出すように見える起点)がかつて18世紀末に作られた壁面四分儀座の位置にあることから、その名で呼ばれ続けている。なお、現在の放射点は「うしかい座」に位置している。
■ 「しぶんぎ座流星群」を楽しむための5つのポイントを仙台市天文台に聞いてみた
「しぶんぎ座流星群」に関して、仙台市天文台の職員である郷古由規さんに観察に適した日時など、いくつかポイントを伺った。ぜひ参考にしてほしい。 ●「しぶんぎ座流星群」の観察に最も適した日時 「極大日は1月4日で、この日が最も流星を見ることができます。おすすめの観察時間は、前日の1月3日夜10時頃から日付が変わった4日の午前5時頃までです。年により出現する数の増減はありますが、最大で1時間に約50個ほどの流星が見られるかもしれません。」 ●空のどの辺りを見るのか 「重要なのは“空を広く見渡すこと”です。放射点はうしかい座の辺りに位置していますが、流星群は空の一部分だけの現象ではなく、空全体で広く見られる現象ですので、放射点だけを見る必要はありません。」 ●望遠鏡や双眼鏡は必要? 「前述しましたが、空を広く見ていただきたいので、視野が狭くなる望遠鏡や双眼鏡といった道具は必要ありません。視野が最も広くなる裸眼での観察が最適です。」 ●観察にあたっての姿勢や服装のアドバイス 「仰向けに寝て、空を眺めるのが一番です。立ったまま見上げると首が痛くなり、長時間の観察には向きません。また服装ですが、1月の夜間は非常に寒いため十分に暖かい服装を心がけてください。キャンプなどで使うマットを敷いたうえで、しっかり防寒対策をして毛布などを掛けたり、寝袋を用意したりすることでさらに快適に観察を楽しむことができます。」 ●その他注意点 「まず、“安全な場所で観察する”ことが大切です。駐車場等は危険なため、周囲の安全を確保したうえで観察していただければと思います。また暗闇での移動や準備などで、懐中電灯を使う場合に関してですが、懐中電灯に赤いセロファンを貼ることをおすすめします。特に明るいLEDなどの光源を見てしまうと、目が暗闇に慣れるまで時間がかかり、流星の観察に影響が出ることがあるからです。」 以上、郷古由規さんのアドバイスを参考にして、しっかりと準備を整え冬の夜空を駆ける「しぶんぎ座流星群」を楽しんでほしい。 なお、仙台市天文台では、12月下旬に2025年分の天文情報の記事を公開予定とのこと。「しぶんぎ座流星群」についても詳細記事が掲載されるので、こちらも参考にしてほしい。 仙台市天文台 住所 〒989-3123 宮城県仙台市錦ケ丘9丁目29-32 電話 022-391-1300 FAX 022-391-1301