新興国を含む全世界の株式1万銘柄以上に超分散、ゆうちょ銀行が「全世界超分散株式ファンド」取り扱い開始
日興アセットマネジメントは5月17日、日本や新興国を含む世界1万超の銘柄に幅広く分散投資する「全世界超分散株式ファンド」を新規に設定し、運用を開始した。当初設定は自己資金で行い、5月20日からゆうちょ銀行で取り扱いが始まった。同ファンドは新NISAの成長投資枠の対象ファンドになっている。新NISAのスタート以来、新興国を含む全世界の株式インデックス「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するインデックスファンドを使った積立投資が人気を集めているが、この全世界株式(オール・カントリー)の構成銘柄は約2900銘柄だが、新ファンドは約1万3000銘柄に分散投資し、かつ、独自の観点に基づいた評価の高い銘柄は組み入れ比率を高く持つことで中長期的にインデックスを上回る運用成果をめざす。新NISAを使った運用の選択肢の1つとして注目したい。
同ファンドの実質的な運用は、米国のディメンショナル・ファンド・アドバイザーズのシステマティック運用によって行う。ディメンショナルは、ノーベル賞受賞者などファイナンスにおける高名な学術研究者と深い協業関係を構築し、学術研究を活かした運用戦略を特徴としている。世界15の運用拠点で約1600人という比較的少ない社員数で、運用資産残高は約6770億米ドル(約95兆円)という巨額の運用資産を運用しているユニークな会社だ。
「全世界超分散株式ファンド」では、市場をアウトパフォームする要因になり得る「企業規模(小型株の方が市場をアウトパフォームする)」、「相対価格(バリュー株は市場をアウトパフォームする)」、「収益力(高い収益力の企業の方が市場をアウトパフォームする)」という3つの観点で高く評価した銘柄の組み入れ比率を相対的に高く設定した運用を行う。また、リスク管理、コスト管理の観点からも調整を行った上でポートフォリオを構築し、これらをシステマティックに行うことによって、1万銘柄を超える銘柄を対象としたポートフォリオを相対的に低いコストで構築し、管理することが可能になっている。同ファンドの信託報酬率は投資対象となる投資信託証券の信託報酬率を合わせた実質的な負担で年0.99633%程度(税込み)となる。