部下を成長させるマネジメントの鍵は「適切な質問」を投げかけることにあった!
探究型アプローチの育成
チームメンバーが問題に直面した時、すぐに解決策を提示するのは簡単です。しかし、より効果的なアプローチは、その衝動を抑えて立ち止まり、考えることです。 マネージャーは「次回この問題が発生したときに、このメンバーが自信を持って自ら正しい判断ができるように、どうすればこのタスクに対してスキルを向上させられるか?」と考えるべきです。 質問は、従業員が自分の知識を使って結論にたどり着き、今後似たような状況に対処する自信を育てるためのものであるべきです。質問は彼らの思考を導くものであり、単に情報を集めてマネージャーが問題を解決するための機会だけであってはなりません。 「なぜ」という質問は、批判的に聞こえたり、責任を追及するように感じられることが多いので避けましょう。代わりに、従業員が事実を分析するよう促す「何」という質問に置き換えるのが良いです。 何がそう思わせたのですか? その理由は何ですか? 「なぜ」という質問を避けることで、責任追及のニュアンスがなくなり、チームメンバーは安全で信頼されている環境の中で、自分の考え方を共有しやすくなります。
「適切な質問」の効果を活かすために
適切でかつ効果的な質問を投げかけることは、マネージャーにとって難しいことではないかもしれません。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、マネージャーはその瞬間において、アクティブリスニングを実践する必要があります。つまり、電話を置き、メールの通知が鳴っても画面を見ず、従業員に全身全霊で注意を向けるということです。 マネージャーは適切な質問を投げかけることには長けていても、その次のステップで失敗することがあります。それは、自分の観察や考えを途中で口にしてしまうことです。そうするとで、相手の思考を遮ってしまうリスクがあります。 最終的には、従業員が言っていないことや、彼らの感情状態、そして自分自身で正しい答えにたどり着くために会話がどこに向かうべきかを考慮しましょう。 彼らが迷いはじめたら、オープンエンドの質問を投げかけます。「それはすばらしい解決策ですね。XYZを達成するためにそのステップを省略できる方法はありますか?」のように、彼らの思考を促す質問が効果的です。 マネージャーがみずから指示や問題解決に奔走するのではなく、適切なタイミングで効果的な質問をする方法を学ぶことは、全員の貢献が評価され、さまざまな視点が考慮される文化をつくり出します。結果的に、より優れた協力的な成果が生まれ、従業員は自分の仕事に対して所有感や達成感を感じるため、従業員のエンゲージメントも向上します。 自信は双方向のものです。マネージャーは、問いかけを中心としたアプローチを取ることで、従業員の意思決定プロセスを実際に理解し、それを実際に目の当たりにすることができます。従業員がその場で効果的な質問を考え、答える過程を見守りながら、必要に応じて助言を挟むことができます。これにより、マネージャーは従業員が次に適切な選択をする能力に自信を持ち、業務の責任を共有するようになれるのです。 マネージャーがこのように委任することで、仕事はチーム内でより公平に分配され、個々のメンバーが成長し、責任を引き受けるようになります。この自信によって従業員は力を与えられ、仕事でベストを尽くせるようになり、その結果、生産性も向上します。 マッキンゼーによると、アメリカの生産性成長率をわずか0.8%改善するだけで、10兆ドルもの追加生産を実現できる可能性があります。その鍵を握るのは、マネージャーが「適切な質問をすること」を学ぶことかもしれません。 Source: IBM, mckinsey, gallup Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
真栄田若菜/OCiETe