神経科学者が「AIに仕事を取られたくなければ、働き方を根本から見直すべき」と語る理由 #TrendBuzz
誰もが知るとおり、人工知能(AI)は私たちの働き方を変えています。単純な作業はどんどん自動化されており、私たち人間に残されているのは、高度な認知力を必要とするアイデアの創造といった仕事です。 こうした新たな時代に、優れた能力を発揮できる抜きん出た存在になりたければ、働き方を根本から変え、脳の効率性を最大化しなければならない──。 そう話すのは、神経科学者で、『Hyperefficient: Optimize Your Brain to Transform the Way You Work(超効率化:脳を最適化して働き方を変えるには)』(未邦訳)の著者Mithu Storoni博士です。 ただし、これには問題があり、私たちはいまだに、工場での流れ作業の時代に似た心理的・物理的な社会基盤をベースにしており、現代社会で必要とされる働き方を身に着けることも、促進することもできていません。 「つまらないアイデアを100個ではなく、たった1個でもいいので、優れたアイデアを考える必要があります」とStoroni博士は言います。 ただ単に頭を働かせて続けて、平凡なアウトプットを大量に生み出すのではなく、知的アウトプットの質を高めるために、頭脳をまったく異なる方法で働かせなくてはならないのです。
まずは労働時間を見直す
ビジネスリーダーはこれまで、従業員の生産性を測定する際に、彼らが職場で働いた時間や、彼らが達成した抽象的な目標の数をもとにしていました。その結果、従業員たちは、仕事の「量」が何よりも重要だと考えて働くようになりました。 とはいえ、そうした考え方をもとにしたアウトプットは、AIの時代にふさわしくありません。それよりも、心のスイッチを入れ替え、量よりも質を念頭に、日々の仕事を組み立てていく必要があるのです。 「知的アウトプットを重視し、それを強化できるような方法で、1日の仕事をうまく組み立てていかなくてはなりません」とStoroni博士は話します。 そのためには、これまでとはまったく違う働き方モデルに従う必要があります。 脳を十分に休ませるまずは、1日中働き続けるという、古い働き方は忘れましょう。Storoni博士によれば、頭を長時間、絶え間なく働かせると、知的アウトプットの質が低下することが研究で明らかになっているそう。 絶え間なく、ひたすら何時間も働き続けていると、それが大きな障害となって、質の高い知的アウトプットを生み出せなくなってしまいます」とStoroni博士は説明します。 そうした働き方では、適切な判断を下したり、創造性あふれるアイデアを考案したりする可能性がぐっと下がってしまうのです。 休まずに働いていると、クリエイティブなアイデアを生み出す力が損なわれ、知力を使って高度で質の高い仕事をすることが難しくなります。 それよりもはるかに望ましいのは、頭に休憩時間を十分に与え、量より質が高くなる仕事ができるよう、「バースト・モード」で働くことです。 Storoni博士のおすすめは、90分のワークセッションを活用する働き方。90分のうち、最初の20分はいちばん難しい仕事に果敢に取組み、残りの時間は、もっとゆっくりしたペースで、簡単な作業をするようにしましょう。