話が通じない人とは“脳タイプ”が異なる...科学者が説く、人間関係のモヤモヤの原因
「あの人とはうまく通じ合えない」「なぜわかってくれないのだろう?」「話しているとストレスを感じる」......そんな苦手な相手とのコミュニケーション方法を脳科学の観点から、解説します。 ※本稿は、月刊誌『PHP』2024年4月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。
脳のバイアスと3つのタイプ
一つの物事からイメージしたり、感じたりすることは人それぞれ。その違いを起こしているのが「脳のバイアス」です。 バイアスとは思い込みや偏った常識のことで、遺伝や性差のほか、生まれ育った環境やジェンダー観、経験など、後天的な要因によっても作用します。こうした脳のバイアスによって情報処理の方法が異なることが、人がわかり合えない根本にはあるのです。 情報を処理するときに私たちは五感を使いますが、人によって優先される感覚が異なります。大きく分けると視覚を優先する「視覚タイプ」、聴覚を優先する「聴覚タイプ」、触覚、味覚、嗅覚など体の感覚を優先する「体感覚タイプ」の3つに分けることができます。
コミュニケーションのストレスは減らせる
たとえば同じように海を見たときに、視覚タイプは「海の青さ」が、聴覚タイプは「波の音」が、体感覚タイプは「潮の香り」や「潮風の心地よさ」などが、より強く記憶に残るのです。 お互いの認識が異なる前提でいれば、コミュニケーションにともなうストレスを軽減することができるはず。「きっとわかってくれるはず」と思うから、「なんでわかってくれないの」になる。 そうではなく、「この人とは脳のタイプが違う」ととらえること。そのためには、まずは自分自身を知ることが重要です。 さっそく自分のタイプを診断してみましょう。
脳タイプ診断
各質問のA~Cの項目にそれぞれ点数をつけて、最後に合計点を出してください。 ・かなり当てはまる....2点 ・やや当てはまる.......1点 ・当てはまらない.......0点 ---合計点数が最も高いものがあなたの脳タイプです--- たとえば自分が視覚タイプとわかっても「仕事のときは視覚タイプだが、プライベートでは体感覚タイプ」など、場面によってタイプが異なる場合も少なくありません。私たちの脳はうまく環境に適応するために、場面に応じて違う脳タイプになることができるからです。「全体の傾向として〇〇タイプ」と理解してください。 ●自分と違う脳タイプの相手とかかわるときは? 相手の脳タイプに合わせた伝え方をするとうまくくいくことがあります。