【オーストラリア】豪8月企業景況感は下落、信頼感も悪化
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が10日に発表したオーストラリアの2024年8月の企業景況感(business conditions)は3となり、前月(修正値)から3ポイント下落した。雇用指数が6ポイント下落したことが影響した。同様に、向こう3カ月間の景況見通しを示す企業信頼感(business confidence)指数はマイナス4と5ポイント悪化し、悲観圏に転落した。 NABは非農業部門の約500社を対象に、8月19~27日に調査を実施。同指数は、ゼロポイントを超えた場合は「楽観」が「悲観」を上回っており、ゼロポイント未満は「悲観」が「楽観」を上回っていることを示す。景況感指数は、現在の景況に対する満足度を示している。 主要指数は、◇売上高:8(前月比2ポイント下落)◇利益:1(1ポイント下落)◇雇用:1(6ポイント下落)◇在庫:2(1ポイント下落)◇新規受注:マイナス4(横ばい)◇輸出:マイナス1(2ポイント上昇)――となった。 設備稼働率は82.9%で前月から0.2ポイント上昇した。 州別の景況感は、ニューサウスウェールズ州で5ポイント下落したほか、ビクトリア州や南オーストラリア州でも下落。西オーストラリア州では1ポイント上昇した。 産業別の景況感は、卸売りが18ポイント下落し、製造が9ポイント下落した。ほかにも小売りが6ポイント、交通・公益が5ポイント下落した。一方、資源は大幅に上昇したほか、建設は1ポイント上昇、娯楽・パーソナルサービスは1ポイント上昇と改善した。 ■雇用需要が減少か NABの首席エコノミスト、オスター氏は、景況感は7月に改善がみられたものの、8月は再び下落し、平均水準を下回っていると指摘。要因となった雇用指数の下落は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降、労働需要が減少しつつあるからだ」と説明した。