ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダの選んだカー・オーディオは今どきカセット?【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#49】
装着していたのは今どきのCDプレイヤー
◆なんで今さらカセットなの? ワイン・メタリックのエグザンティアのオーディオは、アルパインないしはソニーの1DINサイズのカセット・プレイヤー一体型AM FM電子チューナーだったはず。もうどちらだったかは忘れてしまったけれど、ステアリング・ホイールのリモート・コントロール・スイッチは確かにちゃんと動いていた。しかしリポート車は、アルパインでもソニーでもなく、ケンウッドの今どきの1DINサイズのCDプレイヤーを装着していた。おそらく前オーナーが取り付けたのだろう。そしてステアリングのスイッチは、どれを押しても何も反応しなかった……。 このケンウッドのCDプレイヤーは、ハンズフリー通話はできるし、Bluetoothに対応し、USBポートもあるから、スマートフォンを簡単に繋げられる。だから専用のアプリでもあれば、どんな局でも、どんな番組でも、いつでも望むままに聞くことはできる。でもぼくは、やっぱり偶然の音との出会いがしたい。ごく自然にステアリングに手を添えたまま、運転への意識を途切れさせることなく、指先だけで探したい。だからやっぱり、かつて味わったステアリングのスイッチを、どうしても復活させたかった。 そこでオーディオ・ユニット周辺をいったん分解して配線をいちいち追っていったり、当時から乗り続けているオーナーから話を聞いて回った。わざわざフリマサイトで当時のアルパイン製カセット・プレイヤーそのものや、ソニー製のカセット・プレイヤーの取扱説明書を入手したりもした。詳細は例によってギャラリー内の写真キャプションを参照のこと。 ※価格は2022年1月および2022年8月時点のもの ・アルパイン製カセット・プレイヤーM6304(中古) 1,500円 ・ソニー製カセット・プレイヤーXR-5G61の取扱説明書(中古) 300円 家族からは、CDが聴けてスマートフォンも繋がるのに「買ったのはカセットォ? なんで今さらわざわざカセットなの?」と笑われたものだ。 その結果、ステアリングのスイッチとオーディオ・ユニットとの間に、ある電子部品がないと両者がシンクロして動作しないことが分かった。おそらくエグザンティアの上陸当時、欧州用の周波数のユニットから日本製オーディオ・ユニットへ換装するため、輸入元がこしらえたのだろう。 とはいえ、さすがにいまどき新車時のカセット・プレイヤーを後生大事に使っているひとは数少ない。 万が一いたとしてもこの電子部品まで、わざわざ売ろうとはしないだろう。たいていはCDプレイヤーなどに換装する際に、不要になって捨てられてしまっている。 あるとき大阪のガレイラという会社が扱っている、ステアリングのリモート・スイッチの操作情報を赤外線のコントロール信号へ変換するキットを組み込み、オーディオ・プレイヤーとやりとりがが可能になるアルコンという汎用キットの存在を知った。ただしエグザンティアに付けるには、発信部の別途取り付けが必須らしい。これ以上リポート車の内外の見た目を変えることは極力したくなかったので、この製品の採用は断念。とりあえずアルパインのカセット・プレイヤーは保管し、結線のための電子部品を探し続けることにした。 次回は運良く手に入れることができたこの電子部品と、ステアリングのリモート・スイッチと繋ぐために選んだ、ケンウッドのCDプレイヤーに代わるオーディオ・ユニットについてご報告する。 ■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX 購入価格 7万円(板金を含む2023年7月時点までの支払い総額は262万7982円) 導入時期 2021年6月 走行距離 17万6829km(購入時15万8970km) 文と写真=上田純一郎(ENGINE編集部) (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部
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