食べログは「都内で9位」の3.92! 記帳に行列ができる秋葉原に超人気ラーメン店「Tokyo Style Noodle ほたて日和」の、店主の“驚きの過去”
「当時ほたてを使ったラーメンはあまり見たことがなく、スキマ産業的に始めてみました。当然、今のようなクオリティではありませんでしたが、神保町にはきれいな見た目のラーメンが少なく、注目されました」(及川店主) さらに、毎月限定ラーメンを作っていく中で、かつては売れなかった「昆布水つけ麺」をもう一度復活させた。煮干しと昆布の合わせだしで作った昆布水を麺の下に敷き、見た目にもきれいなつけ麺を完成させた。
その後、コロナ禍になったが、その時期が明けたので、心機一転、新しい店をオープンしようかと考えた。麺を作ってもらっていた三河屋製麺から紹介してもらい、秋葉原の物件が出てきた。 そこはラーメン店の居抜きで、調べるとお客さんは入っている様子だったが、日中周りを歩いてみるとびっくりするぐらい人がいなかった。それほど自信が持てなかったが、ダメだったらやめて神保町に戻ればいいかぐらいの気持ちでお店を始めることにする。
「麺屋33」で出していたほたての塩そばと、限定で出した昆布水つけ麺を進化させた「ほたての昆布水つけ麺」のお店を作るコンセプトはできていて、店名は「ほたて日和」にしようと決めていた。 物件を8月に借りて、内装ができ次第オープンしたかったが、知り合いの内装業者が時間がかかるということでなかなかオープンにこぎつけられなかった。「ほたて日和」はちゃんと新しい店として始めたかったので、中途半端な形ではオープンせず、内装が仕上がるまで待つことにした。
そこで、内装ができるまでのつなぎとして、及川さんは9月から1カ月限定でわんたん麺専門店の「わんたん屋」というお店をオープンした。 一切告知しないでオープンしたのだが、開店と同時に一気にお客さんが来た。秋葉原は新しいものに飛びつく人が多かったのである。 秋葉原とはいえ、オタクやインバウンドとはかけ離れた場所なのだが、近所で働いている人たちやラーメンファンが一気に集まった。はじめは自信がなかった及川さんも、この人たちの心をつかめれば繁盛するのかもしれないと思い始めたという。
後編記事では、「ほたて日和」のオープン後の日々についてお届けする。及川さんは、バーテンの経験を、どのようにしてラーメン店の運営に生かしたのか。 ■後編で紹介する写真はこちら
井手隊長 :ラーメンライター/ミュージシャン