【「東大宇宙博士」がズバリ解説!】スペースXが狙う「100万人火星移住」は本当に実現可能なのか? 成功のカギを握る“3つのもの”とは?
しかし、どのミッションも月に滞在したのはわずか数日間でした。数日では、「住んだ」とは言えないですよね。 そこで、NASAが提案する月面探査プログラム「アルテミス計画」において、月面に基地をつくり、人が持続的に活動する試みが始まりました。 現在活発になっている月探査の先には、史上初となる「人類による火星への着陸」という大きな目標があります。いわば、火星が「本番」で、月はそのための「練習台」とも言えます。
技術をレベルアップさせて、地球から最も近い天体である月で自由自在に何でもできるようにする。月探査で得られる新たな技術と知見をひっさげて、火星を目指すという作戦です。 ■月・火星移住に欠かせない「3つのもの」とは? 移住を現実的に考えるには、まず、月と火星がどんな環境なのかを知り、移住するために必要な条件を知る必要があります。 「移住のためにとくに重要なもの」は次の3つです。 【月・火星移住に必要なもの】
1 基地 2 酸素 3 水 まず、厳しい寒暖差や強烈な宇宙放射線から身を守るために「基地」は必須です。そして、基地の内部には、呼吸するための「酸素」を充填しておかなければなりません。さらに、人の体に欠かせないのが「水」ですよね。 他にも、食料や生活用品、燃料など必要なものはたくさんありますが、まずはシンプルに、生きるために最低限必要なもの、つまりこの3つを用意することが重要になります。 人類が地球以外の地で暮らすとき、「水」の存在は欠かせません。
水は一石二鳥どころか、三鳥にも四鳥にもなる重要な資源です。どのような役割があるのでしょうか。 【水の役割】 1 《そのまま》で、「飲み水」や「農業用水」になる 2 分解して得られる《酸素》は、「呼吸」や「ロケットの酸化剤」に使える 3 分解して得られる《水素》は、「ロケットの燃料」に使える 月や火星で暮らす場合、なるべくなら現地で自給自足したいですよね。水は人間の飲み水だけでなく、農業用水の役割も担います。