「有料化の根拠、明確に」公民館などコミュニティセンター化で意見 三重・松阪
松阪市議会文経委と総企委 中田教育長「市の運営方針つくる」
三重県松阪市議会の文教経済委員会(赤塚かおり委員長、7人)と総務企画委員会(橘大介委員長、同)は8日午後1時から市役所で合同協議会を開き、市が2026(令和8)年度からの開始を目指す松阪、嬉野、三雲、飯南、飯高の5公民館を除く地区公民館などのコミュニティセンター(CC)化と今後の5公民館の在り方について議論。CC化に伴い、これまで無料で施設を使っていた利用者から利用料を徴収することに関し「明確な根拠を示すべき」などの意見が出た。 市は、地域ごとに異なるあらゆる課題を解決する地域づくり活動の拠点として26年4月から、市内の地区公民館などのCC化に取り組んでいる。運営は市の直営方式か、各住民自治協議会による指定管理方式の2通り。指定管理にすることで開館日や開館時間の制約がなくなり、現在はできない物販も可能になるなど、地域の特色を生かした運営が可能に。一方、地域の人材不足や現在の運営方法に不便もなく「このままでいい」といった声もあり、その場合は市の直営方式も可能としている。既に徳和、松尾、米ノ庄では各住自協による運営が始まっている。 この日は、昨年12月に市社会教育委員から受けた答申を基に議論した。答申は▶松阪公民館の中央館としての位置付けと4館の在り方▶講座等受講者に対しての費用負担導入▶趣味クラブやサークルへの貸館使用料の徴収──の3項目だった。 まず久松倫生委員が「これまで無料だった公民館の使用料を市が、答申を受けて有料とする方針に転換するのであれば根拠を明確化する必要がある」などと意見。中田雅喜教育長は「答申については委員がしっかり議論して方針転換の答えを出したと思っている。今後は議員や市民、各関係者の意見を聞きながら市の方針原案になるものをつくっていきたい」と述べた。 さらに有料化に対しては殿村峰代、中村誠、西口真理、山本芳敬ら4委員も発言。「昨今の社会情勢などを理由に利用料を取るのではなく、公民館の重要性を考えるなら市が負担して気軽に学習の場を提供するべきでは」「これまで無料で利用している市民に対してしっかりした説明責任を果たすよう検討してもらいたい」などとした。 この他、深田龍委員はCC化の課題として「基本的な相互理解が進んでいない」と指摘。松本一孝委員は答申の文言にある「公民館の利用が一部の団体や個人に偏っている」を挙げて「根拠を示すために、利用者について詳細な集計をするべきでは」と求めた。
利用者アンケートなど経て中間、最終案作成
市教委生涯学習課と市企画振興部地域づくり連携課は今後、▶「公民館運営方針(素案)」の作成▶素案を元にした利用者へのアンケート実施▶文教経済委員会協議会でのアンケート結果公表、中間案の作成▶委員会協議会の意見を反映した最終案を作成──の流れを経て、教委定例会に議案を提案して「公民館運営方針」を策定したいとした。 また市は、26年度からのCC化に伴い、昨年12月6日までに指定管理を希望する住自協が4地区あったことも明らかにした。