清水庁舎 改修「100億円超」 静岡市長 建て替えと比較検討
静岡市の難波喬司市長は9日の定例記者会見で、老朽化が進む市役所清水庁舎を現地で改修する場合の費用は100億円を超えるとの見通しを明らかにした。3月までに改修費用を精査し、来年度以降に改修や移転建て替えの判断をする予定と説明した。 現地改修する場合、概算で耐震化に30億~40億円、老朽化対策に100億円程度かかるとの見通しを提示し「金額を踏まえ、移転建て替えか現地改修かという問題になる」と述べた。移転建て替えにかかる費用は現段階で算出していない。本年度内に判断するとしていた移転建て替えや改修の方針決定は先送りする。 本年度実施した専門家組織による清水庁舎の耐震性解析結果も公表した。南海トラフ巨大地震級の大地震を想定した結果では、耐震補強が完了する前の限定的な期間、庁内の安全対策を行った上で使用は可能とした。高層棟では安全確保が困難な可能性があるため、避難場所は低層棟の2、3階と想定した。 高層棟5階以上に避難誘導する現在の計画は修正する。庁外からの避難者を受け入れる津波避難ビルの指定は解除する。 市が昨年度行った耐震診断では、安全性に課題が生じる基準値を超えるのは「1~5階」とされたが、今回の専門家組織による解析では「1~7階」とより厳しく判定された。いずれの結果も、本震では崩壊の危険性は低いが、建物の耐力に影響を受けるほどの変形が残る被害が出て、余震に対する耐震性は低くなるとの結果になった。
静岡新聞社