企業物価は1年2カ月ぶりの高い伸び、賃金を価格転嫁する動きも
(ブルームバーグ): 企業間で取引するモノの価格を示す国内企業物価指数は、10月に伸び率を一段を高めた。原材料価格や人件費を価格に転嫁する動きが出ている。日本銀行が13日に発表した。
10月の国内企業物価指数は123.7と過去最高を更新した。前年比では3.4%上昇と前月の3.1%上昇から伸び率が拡大。2023年8月の3.5%上昇以来、1年2カ月ぶりの高水準となった。市場予想の2.9%上昇を大きく上回った。
前月比では0.2%上昇。精米や玄米、鶏卵といった農林水産物や銅価格上昇を反映して非鉄金属などが上昇に寄与した。日銀によると、10月は半期に一度の価格改定月でもあり、自動車部品や電子部品などの中間財で原材料価格や労務費の上昇を製品価格に転嫁する動きが見られている。
日銀では、2%の物価安定目標の実現に向けて、賃金と物価の好循環の強まりを重視している。高水準の賃上げが実現する中、好循環の持続には賃金を価格に転嫁する動きが不可欠とみており、今回の企業物価からは川上の段階における前向きな動きが確認された形だ。
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Sumio Ito