性被害訴える女性検事が語った苦悩「気持ちも身体も完全に凍りついた」 大阪地検・元検事正の被告が一転、無罪主張【報道特集】
■北川被告への取材は叶わず 元上司「検察内部に大きな衝撃をもたらした」 Aさんの一連の訴えを、検察組織はどう受け止めているのか。 元大阪地検トップの性加害事件。 Aさんの一連の訴えを、北川被告はどう受け止めているのか。 私たちは拘置所での面会を申し込んだが、北川被告は「辞退したい」として、取材は叶わなかった。 事件について、検察庁に見解を求めるとー。 最高検察庁 次長検事 「本件については、法令の遵守に厳格であるべき検察庁の職員、しかも職員の模範となるべき幹部職員が、在職期間中に、重大な犯罪行為に及んだことは極めて遺憾であり、国民の皆様に深くお詫び申し上げます」 北川被告の直属の上司だった最高検察庁の元幹部は「今回の事件は、検察内部に大きな衝撃をもたらした」と番組の取材に明かした。 最高検 元幹部 「北川は仕事はきちんとこなすし、飲んでも乱れることもありませんでした。こんな事件が裏にあったなんて信じられなかったです。事件は、OB含めて検察内部にもショックです。初公判の証言を180度変えて、突然、全面否認となると、裁判所の心証も最悪でしょう。ただ、検察OBとして言わせてもらえば、事件はあくまでも“個人の問題”。冤罪事件など検察の組織自体が抱える問題ではないはずです」 ■Aさんを再び検事に 立ち上がる支援者たち 一方、Aさんの周辺では、Aさんを支援する会が立ち上がっている。 この会の中心メンバーは、Aさんのかつての仕事仲間。 凶悪犯罪をともに捜査したという元刑事の男性と、仕事を通じて知り合った公認心理師たちだ。 元刑事の男性 「女性検事は私がそもそも(担当)していた事件の担当検事。職場に泊まり込みで徹夜で仕事をしてた姿も多くの警察官が知っていたので、本当に胸が苦しくなりました」 公認心理師は事件後にAさんに会った際、Aさんを襲った心身の変化を感じたという。 Aさんを支援する公認心理師 「他者と自分を分けている境界線を侵入される行為があると、自分のまとまりを失ったように感じてしまう。彼女は会見とかいろいろな場面で気丈に報告されていますけど、私という存在が、ひとまとまりでなくなってしまということに耐えている現状じゃないかなと思います」