なぜ大阪に?...目がピカッと光る「巨大トランプ神輿」出現、日本MAGAファンの背後には「あの宗教団体」も?
日本でもトランプ前大統領の支持者たちによるデモが行われている。過去のデモは「統一教会」と関係が深いサンクチュアリ教会が組織したとの声も──
9月27日、ドナルド・トランプ前米大統領を支持するデモが大阪で開かれた。 そろいのMAGA(Make America Great Again「アメリカを再び偉大な国に」)キャップを被った参加者は、目がピカピカ光る巨大トランプ像の神輿を担ぎ、日米の国旗を掲げて街を練り歩き、拡声器を使ってMAGAのスローガンを大音量で唱えた。 【動画】大阪に突如出現、目がピカピカ光る衝撃の「巨大トランプ神輿」 あるカップルは、ペンシルベニア州バトラーで銃撃された直後のトランプの写真と「Fight, Fight, Fight!」の文字が入った横断幕を掲げた。今回のトランプ神輿は、9月22日に東京で開かれた親トランプ集会で登場したものと同じもののようだ。 神田外語大学講師のジェフリー・J・ホールは、大阪でのデモの動画をX(旧Twitter)に投稿した。この動画はもともと日本語のXアカウントに投稿されたとされており、本誌はこのアカウントにコメントを求めている。 ホールはXにこう記している。「親トランプの小規模デモが今日、大阪で行われ、東京での同様のデモにも使われた巨大トランプ神輿が登場した。前回のデモは外国の宗教団体関係者が組織していた」 ホールは本誌の取材に対し、宗教団体とはサンクチュアリ教会のことだと明かした。ホールは同教会を「Qアノンの類」と形容している。 サンクチュアリ教会(「世界平和統一聖殿」や「鉄の杖ミニストリー」とも呼ばれる)は、1954年に文鮮明が韓国で設立した統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の分派。半自動小銃のAR-15を愛好するサンクチュアリ教会は、文鮮明の息子の文亨進が創設した。
「幸福の科学」や「ラエリアン」のメンバーも
「幸福の科学やラエリアン・ムーブメントの会員が参加したという情報もある。大阪のイベントについてはよく知らないが、過去には法輪功の学習者もこうしたイベントに参加していた」とホールは話す。 「こうした人たちは一種の日本版Qアノンとみなされ、日本のメディアは『Jアノン』と呼んでいる」 「彼らはドナルド・トランプが大好きで、インターネットメディアを積極的に利用して、ディープステート(アメリカを動かす闇の政府)に関する陰謀論を翻訳輸入している。典型的な日本の保守層を代表する存在ではなく、デモの規模から分かる通り、極めて非主流的な運動だ」 ホールによると、同じグループはサンクチュアリ教会の会員も含めて、2021年1月6日、アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件の直前にデモ行進を行った親トランプの小規模集会にも関与していた。 ただし、日本において親トランプ派は少数派のようだ。日経新聞が9月に行った世論調査では、1週間後に迫った大統領選挙でカマラ・ハリスに当選してほしいという回答が71%を占め、トランプの当選を望む回答者は19%にとどまった。 在任中のトランプ大統領は、鉄鋼に対する25%の関税を含め、日本からの輸入品に対して重い関税を課した。再選ならば、全輸入品に20%の関税を課すと公約している。 トランプが大統領になった場合、日本の外交政策にも影響が及ぶ可能性がある。ウィリアム・S・コーエン元国防長官はウォール・ストリート・ジャーナルに寄せた寄稿の中で、トランプの「正式な同盟関係を軽視」する姿勢や、アメリカ軍の日本駐留に対して懐疑的な姿勢を指摘している。
ロッティ・マクグラス