メロディーレーン退厩に森田調教師のあふれる思い 336キロから始まった6年間の競走馬生活に別れ
2024年12月25日。クリスマスの朝9時30分、メロディーレーン(牝8)が慣れ親しんだ森田厩舎を退厩した。36戦4勝。336キロの小さな身体でデビューした彼女は、6年間の競走生活でオープン馬にまで登りつめた。 【激カワ写真】「ちいかわ」の極み!?明らかに体格差が…
トレセンの仕事で初めて涙が出た未勝利戦V
朝から大好きな青草を、乾草入れからあふれ出るほどにたっぷりもらい、それをおいしそうに食べていたメロディーレーン。 森田調教師はその様子を見ながら「さみしいよね。小さくて可愛くて、本当に頑張り屋さんだった」と愛おしそうにつぶやく。 デビュー戦の頃は、装鞍所にたくさんの調教師らが見にきたという。 「極端に小さいから。みんな、びっくりしていた」と振り返る。 いちばん思い出に残っているのは、未勝利戦を勝ったとき。「トレセンの仕事をし始めて、初めて涙が出た」というように、340キロの馬体で決めた圧勝劇だった。
ドウデュース、セリフォスと同じ馬運車で
師は、そのレース映像を見返して1週間泣き続けたという。「競走馬にはなれないかもしれない」と言われていた小さな女の子の、ど根性の走りはここから始まった。 「調教師は北海道にも会いに行けるけど、担当者はそうは行かないから、すごくさみしいと思う。会いに行ける時はまた写真などを撮って、担当者にもファンにも見せられたら。もう厩舎には戻ってこないんだと思うとやはり切ない気持ちにはなるけど、無事に競走生活を終えられたこと、生まれ故郷へ帰せることを幸せに思います」 そう締めくくった森田調教師。 ドウデュース、セリフォスと同じ馬運車に乗り込んだ彼女を、最後まで慈しみ、また馬運車が見えなくなるまで見送っていた。
東スポ競馬編集部