輝き薄れる米超大型ハイテク5社、今週発表の決算で利益成長鈍化か
(ブルームバーグ): 米株式市場で無敵の雰囲気を持ってきた大手テクノロジー企業が今週、決算発表する予定だが、利益成長の鈍化でその輝きは薄れつつある。そうした傾向を反転できるかどうかは、株式相場のラリーの持続性を左右する大きな鍵となる。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の集計データによると、S&P500種株価指数構成銘柄の時価総額上位5社のアップルとエヌビディア、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コムは、7-9月(第3四半期)決算で平均19%の増益となる見通し。これは同指数構成銘柄の4.3%増益予想を大きく上回るものの、5社平均では過去6四半期で最も緩やかな成長率となることがBIのデータに示されている。
さらに、大手ハイテク企業とそれ以外の企業との差は2025年にかけて縮小し続ける見通しで、それまでには昨年の四半期利益の約35%増という成長が遠い過去の記憶となりそうだ。これらの銘柄は最近の株式相場のラリーでそろって上昇してきただけに、こうした業績予想が株価にどのような意味を持つのか、株価指数をさらに押し上げ続けられるのかが問われる。
サンフランシスコのパーナサス・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、アンドルー・チョイ氏は「センチメントはこれまでの四半期よりもはるかに不安定であり、市場を動かしている要因はよりネガティブに感じられる」と指摘。「これは上昇相場が終わったという意味ではないが、大型ハイテク株のバリュエーションや減速する収益の勢いが議論される中で、他に機会はある」と述べた。
ローテーション
過去2年間の大半において、大手テクノロジー株がS&P500種の上昇をけん引してきた。利益の持続的拡大や、そうした利益に対し高い評価をいとわない投資家の動きが要因だったが、ここ数カ月で状況は変化している。
これら5社とメタ・プラットフォームズ、テスラで構成されるブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数は7月10日にピークを付けて以来、2%下落し、S&P500種の全ての主要セクター別指数に後れを取っている。公益事業と不動産、金融、工業グループは10%以上上昇し、S&P500種は同期間に3.1%値上がりした。