今年、没後20年を迎える戦後日本の具象彫刻界を代表する、柳原義達の特別展が、三重県立美術館で開かれています。 　若くから才能を開花させた柳原義達は、1953年から約4年間フランスへ留学したことが契機となり、それまでの写実的な形からデフォルメされた作風に変化。戦後の日本彫刻界に新しい息吹きをもたらしました。 　今年、没後20の節目を迎えることから、美術館が所蔵する代表作のほか、創作の軌跡を知るデッサンや道具類など約70点の展示を通じて、柳原義達とその作品の創作の背景に迫るものです。 　生命の鼓動を感じさせるハトやカラスを題材にした道標シリーズや、女性像のシリーズといった代表作はもちろん、戦前・戦中の作品の多くが焼失した中、残された貴重な作品などが一挙公開されています。 　関係者は「ブロンズ彫刻を作るために作った石こう原型、制作で使われた道具なども展示していて、柳原義達の制作により踏み込んだ内容となっている」と話しています。 　この特別展「没後20年柳原義達展彫刻の道標」は三重県立美術館で12月1日まで開かれていて、11月9日、10日と16日にはワークショップも予定されています。