コーヒー1杯に出せるのは「500円」 カフェ倒産が過去最多、本当の要因は? #くらしと経済
1つめの条件は、「待ち合わせまで30分早く到着し、カフェで時間をつぶす場合」、1杯のコーヒーにいくらまで出せるか。結果は「500円」が最多で46.4%、次点の「300円」は46.0%。合わせて全体の約92%を占めていた。 2つめの条件は、「仕事や勉強のために1時間ほどカフェを利用する場合」。こちらも最も多かった答えが「500円」で49%。次いで「300円」が33%。一方で、「700円」も14%あり、「900円以上」という答えは4%ほどだった。 3つめの条件は、「カフェで友だちとゆっくり過ごす場合」。ここでも「500円」は41%と最多だが、「300円」は19%と他の条件と比較して少なかった。次点の「700円」が28%となり、「900円以上」では13%となった。 こうして見ると、短い時間の時間つぶしには「300~500円」と安く済ませたいが、仕事や勉強でじっくり、あるいは友人とゆっくり過ごしたいときには、「700円」「900円以上」でも許容できるという消費者の意向が見える。 一方で、友人と過ごすという状況でも「300円」という層が2割近くと、安い価格を希望する層もいる。今後、コーヒー豆の価格高騰とともにコーヒー1杯の価格が上がれば、カフェから足が遠のいてしまいかねない。
コーヒー豆の価格高騰は豆の種類で違う
「いまのコーヒー豆の価格高騰は、人件費や光熱費等の諸経費の高騰とあいまって、街のカフェの経営に影響を与えています」 そう語るのは、一般社団法人全日本コーヒー協会の専務理事・大山誠一郎さんだ。同協会は、ロースター(コーヒー豆焙煎加工業者)や輸入商社などコーヒー関係者で構成されている。大山さんは、次のように説明する。 「コーヒー豆には、おもにアラビカ種とロブスタ種の2種類があります。アラビカ種は味や香りに優れ、有名な銘柄として、キリマンジャロやモカなどがあり、カフェなどで提供されるストレートコーヒーはほとんどがアラビカ種です」(大山さん) ロブスタ種は、病害虫に強く、栽培しやすい一方、苦みも強く、日本ではおもにインスタントコーヒーやブレンド用に使われている。代表的な産地は、インドネシアやベトナムだ。従来、価格が高いのはアラビカ種で、ロブスタ種はアラビカ種の半値、あるいはそれより安い価格で長く取引されてきた。だが、この1年あまりでロブスタ種の価格が高騰し、アラビカ種との価格差は縮小してきた。