5球団競合の末、楽天が交渉権を得た明治大・宗山塁

　10月24日に行われた2024年のドラフト会議。支配下69人、育成で54人の合計123人が指名される結果となった。チームの将来に適した指名ができた球団はどこだったのか、採点してみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。 【写真】慶大不合格からケタ外れのエースになったプロ野球選手がこちら ＊　　＊　　＊ ■西武：85点 　1位で2度抽選を外したものの、高校生ショートで評価の高かった斎藤大翔（金沢）、2位でも大学球界を代表する強打者の渡部聖弥（大阪商業大）と2人の有力野手の指名に成功し、ウェーバー順の早さを最大限に生かすことができた印象だ。斎藤はポスト源田壮亮として最適の人材で、長くショートのレギュラーを任せられる可能性がある。渡部は俊足と強肩も備えており、1年目から一軍の戦力となることも期待できるだろう。3位以下でも高校生の好投手2人と強肩捕手を指名。また4位の林冠臣（日本経済大）も未完の大器タイプながらスケールのある打者だ。渡部と7位の古賀輝希（千曲川硬式野球クラブ）以外は将来を見据えたもので、今年歴史的な負け越しを喫しながらも目先ではなく長期的な視点を重視した指名をしているところも好印象だ。 ■楽天：80点 　1位で5球団が競合した宗山塁（明治大）を指名できただけで高得点がつけられる。ショートは村林一輝が成長しているものの次の候補は不在で、セカンドも手薄なことから宗山の獲得で内野が一気に活性化する可能性は高いだろう。2位の徳山一翔（環太平洋大）も好調時のストレートは大学でも屈指で、先発タイプとして期待できる。上位2名で確実な補強ができた印象だ。3位以下も中継ぎで即戦力が期待できる中込陽翔（四国IL徳島）、社会人ながら将来性の高さが魅力の江原雅裕（日鉄ステンレス）など投手は面白い指名だったが、少し気になったのが野手だ。宗山、5位の吉納翼（早稲田大）、6位の陽柏翔（BCL茨城）は揃って左打者で、チームに不足している右打者は育成1位の岸本佑也（奈良大付）だけ。左右にこだわる必要がないという考えもあるが、もう少し違う選択肢もあったように感じた。