ケニアの巨大スラム街との出会いで人生が一変 「朝起きれたら幸せ、今日もなんかいい感じ」
心折れ旅がはじまり “ミギー” 誕生
“アフリ観LIFE“を送る人を紹介する連載企画《「奥 祐斉と考える - “アフリ観LIFE“ -」 僕たちは、きっとアフリカに救われる」》第1回目のゲストは、アフリカ・ケニアの巨大スラム街キベラとの出会いから自らの人生をシフトさせた、坂田ミギーさんです。アフリカの孤児・貧困児童と女性へのサポートを目的としたエシカルアパレルブランド「SHIFT 80」の代表として活躍されています。 奥 祐斉:早速ですが、ミギーさんって本名だと思い込んでたけど違うんですね。 そもそも、なんでミギーさんになったんですか? 坂田ミギー:元々は、本名で仕事をしていました。変わった人がいっぱい集まっている博報堂ケトルというクリエイティブエージェンシーで働いてたんですけど、必死に働きすぎて、血を吐いて倒れたんですよ。 奥 祐斉:って、それ載せちゃって大丈夫なんですか?(笑) 坂田ミギー:アハハハ、今はホワイトになったそうなので、全然載せちゃって問題ないです。その時に、必死に働いてもあんまり幸せじゃないなって思って、世界一周の旅に出ることにしたんです。それと、このまま働き続けたら死ぬなと思ったんで(笑)。あるとき「もう3日も家に帰れてないし、マジでやばい!」みたいな時期があって。当時は会社のビルの地下にシャワー室があったんですよ。 奥 祐斉:え、それって、もう帰れないようになってるじゃないですか。 坂田ミギー:そう、帰らなくても生きてはいけるんですよね。コンビニもあるし、シャワー室もある。ただ、その生活のせいで心身ともに病んでしまったんで、世界一周の旅に出たんですよ。ただ、旅をしているあいだ、ずっと何かを書かなかったり、仕事をしなかったりしていると、自分の中の文章を書く筋力が衰えてダメになる気がしてブログを始めたんです。当時はブログ全盛期。本名だと絶対に親とか親戚にすぐにバレると思ったんで、ネット上の友達に呼ばれていたニックネーム「ミギー」でブログを書き始めたんです。それが次第に色んな人に読んでもらえるようになって、ブログランキングでも上位になり、書籍化されたんですよね。でも、私のブログも本も、下ネタが多かったし(笑)、うちの親・親戚にバレるのは避けたい。「だったら本名より、ミギーで出した方がよかろう!」と思ってミギー名義で出しました。そうしたら、本をきっかけに私を知ってくれる人が圧倒的に多くなったので、ならば「坂田ミギー」で活動した方が色々楽じゃないかということで、今はこの名前を名乗っています。 奥 祐斉:なるほど。その「ミギー」はどこから来てるんですか? 坂田ミギー:たいして意味はなかったんです。奥さん、mixiはやっていました? mixi全盛期って、本名や自分の顔写真をネットに載せるのは、あんまり良くないとされる風潮だったじゃないですか。なので、mixiは本名ではなくインターネットネーム「城戸沙織」でやってたんです。 奥 祐斉:謎すぎるな(笑) 坂田ミギー:城戸沙織は『聖闘士星矢』の登場人物「アテナ」の名前です。私は聖闘士星矢が好きなんで。でも、サオリってインターネット上にいっぱいいるんです。だから、どのサオリかを判別するために「沙織(右曲がり)」と右曲がりをつけていました。下ネタ的な意味じゃなく、当時の私は背骨が右に曲がっていたので(笑)。そうしたら「サオリは他にいっぱいいるから、右曲がり由来で『ミギー』にしよう」ってネット上の友達が呼ぶようになったんです。 奥 祐斉:へぇ、面白い。そこからのミギーなんですね。ちなみに、プロフィールを見てると、学生時代から鬱になったりとか、 結構、アップダウンも激しかったんですか?あえて鬱病を公表するということは、それが人生の転機だったのかなと思って。そういう原点もあって、ブランドを立ち上げることにも繋がっているのかなと。 坂田ミギー:大学入学と同時に福岡から上京してきたんですけど、なんで鬱病になったのか自分でもよく解らないんですよね。まぁ、華々しい東京での学生生活では全くなかったですね(笑)。でも、いい経験だったとは思ってるんですよ。そのおかげで、精神的な病に対する理解も一般の人よりはあると思う。生きるのがしんどい人に寄り添えるのは、自分がそれを体感したからだと思います。 奥 祐斉:アフリカに関わってる人って結構そういう原体験が多いのかも。そんな気がしませんか? 優しい人が多いのもあるけど。 坂田ミギー:そうですね。優しい人も多いし、苦労してる人も多い気がしますよね。 奥 祐斉:多分、普通に考えたら理解できないと思うんですよね。スラム街にわざわざ行って、そこで活動するとか、サポートをするとか。自分のことで精一杯な人が多い中、ミギーさんもそうですけど、他の人にまで分け与えるみたいなことをされている人が多いなと感じます。