老朽化する遊具 相次ぎ子どもケガ 対策の現場で いま何が?
FBS福岡放送
福岡県久留米市の小学校で、老朽化した遊具で遊んでいた児童が転落し、腰の骨を折っていたことが分かりました。小学校や公園にある遊具の老朽化は、いま全国的な問題となっています。 ■阿部まみアナウンサー 「こちらの遊具ですね 使用禁止の貼り紙が貼ってあります 児童は握り棒が回転したため 態勢を崩して転落したそうです」 久留米市教育委員会によりますと、11月7日午後5時ごろ、大善寺小学校のグラウンドに設置された、はしご状の遊具「肋木」で児童が遊んでいたところ、つかんでいた横棒が回転し、はずみで手を滑らせた児童が約1.6メートル下の地面に転落しました。 児童は腰の骨を折る重傷です 柱と横棒の接合部分がサビて劣化し、緩んでいたことが原因とみられています。 久留米市がグラウンドの他の遊具も点検したところ、コンビネーションと呼ばれる遊具にもサビによる劣化が確認され、使用中止になりました。 ■久留米市教育委員会学校施設課・渡辺唯希課長 「設置時期も はっきり分からない中 結構古い遊具もあって 児童・生徒を安全に遊んでいただくとか 体育でも使っていただく状況や 安全管理をどうやって高めていくのか 考えなくてはいけないと改めて思った」 久留米市では、ことし8月にも市が管理する公園で、遊具から飛び出していた金属製のビスを踏んだ男児が足の裏を5針縫うケガをしています。 設置から23年が経過していて、老朽化が原因とみられます。 久留米市は11月、小学校・中学校・高校および特別支援学校の合計64校で遊具の緊急点検を行いました。 その結果、すべり台やブランコなど39台の遊具で、部分的な腐食などの劣化が確認され、使用中止の措置をとっています。 全国的な問題となっている遊具の老朽化は、国交省の調査によりますと全国の都市公園にある遊具のうち、約2割に修理や撤去などの安全確保措置が必要だと分かりました。 また全遊具の半数近く(49.7%)が設置から20年以上過ぎていたということです。(令和元年度調べ) この現状を踏まえて国はことし6月、都市公園における遊具の管理について、点検方法などの指針を改訂しました。 ■阿部まみアナウンサー 「北九州市内の公園です いま市の職員が子どもの目線で 触ったり登ったりしながら点検しています」 北九州市では、市内にある公園の約4割が10年後に築50年以上になるとしていて、遊具の老朽化が懸念されています。 ■北九州市みどり公園課・大貝保志担当係長 「大人だと潜りませんが 子どもだと こういった潜ったところに 突起物がないか ケガするようなものがないか 子ども目線で点検を実施しています」 北九州市は公園の遊具を長持ちさせるため「公園施設長寿命化計画」を2012年度に策定しました。 老朽化している遊具については専門家が安全基準に基づいて点検し、計画的に部材の交換や修繕をして、遊具が安全に使用できるよう取り組んでいます。 子どもたちがのびのびと体を動かすために作られた公園や学校の遊具は、老朽化への待ったなしの対策が求められています。