11年のプロキャリアを過ごした伊藤駿、現役引退に際して思うこと「選手たちにはファンの存在を励みに毎試合に臨んでほしい」
「バスケ界全体がもっともっと潤ってほしい」
──NBLの日立サンロッカーズ東京とBリーグのSR渋谷で計6シーズンプレーし、秋田ノーザンハピネッツで4シーズン、富山グラウジーズでも1シーズンプレーされました。キャリアを振り返って大変だったと思うことはありますか? う~ん……辛い思い出ってあんまりないかもしれないですね。楽しかった思い出のほうが多いかも。でも自分の中で記憶が美化されている可能性もあります(笑)。 ──企業チーム主体だったNBL時代から統一プロリーグのBリーグ時代へ。その変化をどのようにとらえましたか? まずはアリーナがバンバン建ったことが大きいですよね。お金のあるチームも増えてきたし、集客もすごく変わりました。NBL時代のとどろきアリーナでの東芝(現在の川崎ブレイブサンダース)戦なんて仕事終わりのサラリーマンがちょっといるぐらいだったのに、今はあそこがパンパンになっている。すごいことだなと思います。 秋田も最初は固定の練習場がなくて移動が大変でした。バッシュを置く場所がなくて車の中が臭かったです(笑)。今は拠点もロッカールームも整備されていて変わったと思いますね。選手自体の意識も、プロとしての意識や取り組みも、すごく成長しました。今の若い選手はすごい真面目ですよ。自己管理もすごくちゃんとしているし、「ちょっと真面目すぎない?」って思うくらいです(笑)。 ──これからのバスケ界に期待したいことはありますか? バスケ界全体がもっともっと潤ってほしいとは思いますね。まだまだ経営的に厳しいチームもあるでしょうし、カテゴリーに関係なく全体的に底上げして、良い環境でみんながプレーできるようになってほしいです。あとは今の育成年代がプロになった時にもっと日本を引っ張っていけるようなプレーヤーになれるような環境を作ってほしいです。 ──それでは最後に、応援してくれた方へメッセージをお願いします。 約26年間、バスケット中心の生活を続けてこられたのは皆さんのおかげです。勝てずに苦しいシーズンもありましたけど、それでも会場に足を運んで応援してくださり感謝しかありません。引退するというSNSを更新した時も、自分が思っている以上に反響をいただいて、たくさんの方に応援していただいたんだなとあらためて気付かされました。ありがとうございました。現役中の選手たちも、応援してくださっているファンの方の存在を励みに、毎試合、毎日練習に取り組んで、試合に臨んでほしいです。 ──チームメートを含む関係者の皆さんにも、ぜひ。 そうですね、なんだろう……。いろいろわがまま言ってすいませんでした(笑)。こんな自分を受け入れてくれて本当に感謝しています。
青木美帆