「人は変えられへんけど、自分は変えられる」――森田理香子|ゴルフは名言でうまくなる
2013年に賞金女王に輝いた森田理香子プロだが、14年には1勝のみ、その後は不振が続いてしまい、ついに18年に「休養宣言」をしてツアーから退いた。その一番の要因となったのは、アプローチ・イップスだったと伝えられている。
アプローチ・イップスから復帰した元賞金女王
そのため「休養宣言」ではあるが、事実上の「引退宣言」だとマスコミは報じた。イップスになってツアーから去ったプロゴルファーが、もう一度ツアーに戻ってくることは極めて稀だからだ。実際、2年以上のブランクを経て、元賞金女王が復帰した例は過去にない。 ところが、森田プロは2024年国内女子プロゴルフツアー初戦の「第37回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント(沖縄、琉球GC=6,595ヤード・パー72)」に、選手として戻ってきた。休養宣言から、実に6年の歳月が経過していた。 兆候はあった。1年ほど前から、森田プロはInstagramなどのSNSへの発信を積極的に始めていたのだ。練習風景やスイング動画のほか、自身がプロデュースするウェアの販売も手掛けている。Webでのレッスンや女子ステップアップツアーの解説などにも出るようになっていた。 企業のプロアマに行くと、「もったいない。試合に出てほしい」と言う人が多くいた。勝つかどうかではなくて、ただ試合に出ている姿を見たいという純粋なファンもいた。いいときは誰でも寄ってくるし、悪くなったら離れていく。若いときにそれを経験して人間不信となった時期もあった森田プロだが、自分を応援してくれる人がまだいるということは幸せだと改めて感じたのだと言う。 最終的にはファンに背中を押された格好だが、そう簡単にトップレベルのプレーができるように戻れるほど、プロの世界は甘くない。恐らく、相当ハードな練習もこなしてきて、これなら試合に戻れそうだという実感が持てたのだろう。 6年ぶりの復帰戦では、トレードマークのビッグドライブは色あせることなく、平均飛距離は穴井詩プロに次ぐ2位、2日目には4連続バーディを奪うなどして予選ラウンドを突破した。最終日の最終ホールでもバーディを決めて36位のフィニッシュだったが、「100点満点!」と笑顔をみせた。