初陣から約4か月 昌平・玉田圭司監督の指導法とはなにか
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が7月27日に福島県内の各会場で開幕した。Jヴィレッジスタジアムでの第1試合は昌平(埼玉)が2-1で尽誠学園(香川)を下し、初戦突破を果たした。 【フォトギャラリー】昌平 vs 尽誠学園 1‐1で迎えた後半33分、セットプレーで引き離しての勝利に「勝ちきる力が付いたことは評価したいです」と昌平・玉田圭司監督。 この「勝ちきる力」という言葉にここまでチームの成長が感じられる。 今年の3月15日、玉田監督が初陣となったのがJ-VILLAGE CUP U18。会場は今回と同じJヴィレッジ。ちなみに試合は清水エスパルスユース相手に1-2で敗れる、いわばほろ苦いものだった。それも無理はなかった。ピッチに立った選手たちはおそらく監督の指示に対して、できるだけ忠実にプレーしようと思ったのだろう、どこか窮屈でどこか手探りなまま、試合が過ぎた印象だった。しかし、玉田監督は「それで大丈夫」とピッチサイドから見守り続けた。 あれから約4か月。プレミアリーグEASTを、インターハイ予選を経て迎えた今回の本戦初戦。内容は決定力、試合運びなど、課題はあり、発展途上にはあるものの、自信と手ごたえを選手から、そして監督からも感じられた。 多士済々の集団を玉田監督はどう指導をしてきたのか。 「この4か月間で、整理できた部分、まだまだ改善しなければならない部分、たとえば『これは正解』『これはやってはダメ』という整理が選手に出てきました。あと自分はあまり口うるさく言いません。『このようにしなさい』ではなく、選手の判断に対してアドバイスをします。選手が判断のなかで成功、失敗を経験する、このやり方が合っているのかもしれません(玉田監督)」 チームのルール、やらなければならないこと。やってはいけないことが浸透していること。そして選手に問いかけ、考えさせ、練習から、あるいは実戦で経験、体感して、身に着けていく。この反復のアプローチが監督のいうチームの勝ちきる力につながってきているといえる。 監督として初めて立ったインターハイ本戦。多少、緊張感はあったのでは?と聞かれると「きのうはすごく眠れました(笑)」と煙に巻いた。 一方で「ホントにいい環境で宿泊させてもらっていますので言い訳はできません。きょうの試合も、あすの試合(2回戦)ができることも良い経験になります。より昌平らしいサッカーができればと思います」と帝京安積(福島1)戦にむけ、前を見据えた。 (文・写真=佐藤亮太)