俳優・中尾彬さんが「心不全」で逝去 心不全になる5つの原因となりやすい人の特徴を医師が解説
心不全を予防する方法
「バランスの良い食生活」 塩分や脂質、糖質を控えめにし、野菜、果物、良質なたんぱく質を多く含むバランスの良い食事を心がけることが重要です。 このような食生活は、体重管理を助け、高血圧、高脂血症、糖尿病などの心不全のリスク要因を低減します。また、健康的な食生活は動脈硬化の進行を予防し、心不全のリスクを減少させます。 「定期的な運動」 定期的な運動は高血圧や肥満、脂質異常症や糖尿病の改善に働き、心不全の予防に大きな役割を持ちます。できるだけ毎日中等度の運動(例えば早歩きで散歩、軽いジョギング、水泳など)を20-30分は行うようにしましょう。 また、運動はストレス解消にも有効で、ストレス負荷からくる高血圧や心負荷も解消して心不全の予防につながります。運動習慣のない人は、まずは無理のない運動から習慣にしていきましょう。 「慢性疾患の適切な管理」 高血圧、糖尿病、高脂血症などの慢性疾患は動脈硬化や心不全のリスクを高めるため、これらの疾患を適切に管理することが非常に重要です。 定期的な検査を受け、医師の指示に従って薬を服用し、生活習慣を見直すことがこれらの病状をコントロールし、心不全のリスクを減少させます。
「心不全の原因」についてよくある質問
Q.心不全を悪化させる原因について教えてください。 小正先生: 心不全を悪化させる要因としては、他の疾患のコントロール不良や不適切な生活習慣などが挙げられます。 高血圧や糖尿病、脂質異常症などを放置すると動脈硬化が進行して心機能障害にもつながりやすく、また喫煙や過度のアルコール摂取、不規則な睡眠や偏った食生活などは慢性疾患のコントロール悪化につながり、結果的に心不全を増悪する要素となります。 心不全は進行性の病気でもあるため、悪化を防ぐためにはほかの疾患の適切なコントロールと生活習慣の改善がとても重要です。
編集部まとめ
心不全とは、さまざまな原因によって心臓のポンプ機能が低下し、心臓が血液を効果的に全身に送り出すことができない状態を指します。高齢者や慢性疾患を持つ人、不健康な生活習慣を持つ人は特にリスクが高いとされています。 心不全の代表的な症状には息切れや足のむくみ、疲労感、体重増加、咳や喘鳴などがあり、これらの症状が現れた場合は早期に医療機関を受診することが重要です。 心不全の予防には、健康的な食生活、定期的な運動、慢性疾患の適切な管理が有効です。特に、高血圧、糖尿病、高脂血症などの慢性疾患は心不全のリスクを高めるため、これらの疾患を適切に管理することが重要です。 また、不健康な生活習慣は心不全の症状を悪化させる原因となるため、禁煙や過度のアルコール摂取の制限、バランスの取れた食事を心がけるように心がけましょう。
【この記事の監修医師】 小正 晃裕 先生(医師) 京都大学医学部卒業。循環器内科・臨床不整脈を専門とし、これまで関西電力病院、京都大学医学部附属病院などで勤務。主にカテーテルアブレーション、不整脈デバイス診療に従事。現在は大手企業の専属産業医、複数クリニックで内科外来業務に従事しながら医療DX推進に向けて複数事業を運営中。日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本医師会認定産業医。
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