俳優・中尾彬さんが「心不全」で逝去 心不全になる5つの原因となりやすい人の特徴を医師が解説
心不全の代表的な症状
「息切れ」 心不全では、心臓が効率的に血液を全身に送ることができず、運動時だけでなく安静時でも息切れが起こることがあります。初期対応としては、十分な休息を取り、夜間にしんどい場合には頭を高くして横になることが有効です。 こうした症状が持続する場合は、心不全の可能性が高くなるため内科や循環器科の受診が必要です。特に急激な悪化が見られる場合には緊急性が高く、早めに受診してください。 「足のむくみ」 心臓のポンプ機能が十分に機能しないと、体液が下半身に滞りやすくなり、特に足にむくみが現れます。 むくみがひどい場合の一時的な対応としては足を高くして休むことで改善する場合もありますが、症状の持続や悪化が見られる場合には、早めに内科や循環器科を受診してください。 「易疲労感(疲れやすさ)」 心不全により身体組織への血流が減少すると、全身の酸素不足から常に疲れやすくなります。そのような場合には十分な休息を取ることが重要です。もし症状が日常生活に影響を与える場合には、内科や循環器科を受診して異常がないか調べてもらうことが望ましいです。 「急激な体重増加」 心不全では、ポンプ機能不全による体液の滞留により急激な体重増加が起こることがあります。食生活が大きく変わっていないのに体重が増えている場合には、心不全の可能性やその他疾患についても内科や循環器科で精密検査を受けることが推奨されます。 「夜間の咳こみ」 夜間、特に横になったときに咳が出たり、呼吸がヒューヒューと笛のような音を立てたり、泡のような痰がたくさん出ることがあります。 これは肺に液体が溜まっている兆候であり、こうした症状が認められる場合にも治療が必要となることが多いです。早めに医療機関を受診して検査を受けるようにしてください。
心不全になりやすい人の特徴
「高齢者」 男女ともに65歳以上の高齢者は心不全のリスクが高まります。この年齢層ではさまざまな併存疾患の影響もあって動脈硬化や高血圧症により心臓のポンプ機能が低下しやすいです。 また、肥満や体重の過多は心不全リスクを高める傾向にあります。逆に、積極的に運動を行い、バランスの取れた食生活を送る高齢者は心不全のリスクが低いです。 「慢性疾患」 高血圧、糖尿病、肥満、高脂血症などの慢性疾患を持つ人は心不全になりやすいです。これらの疾患は、男女や年齢層を問わず心臓に負担をかけるため、心不全への進行リスクが高まります。 特に若年でこれらのリスク因子を多く持っている方は、将来の心不全リスクを減らすためにも健康的な生活習慣を心がけ、これらの慢性疾患を適切に管理していきましょう。 「不健康な生活習慣」 喫煙や運動不足、不健康な食生活、過度のアルコール摂取などの生活習慣を持つ人は心不全になりやすいです。これらの習慣は心臓に負担をかけ、動脈硬化や心臓病のリスクを高めます。 逆に、禁煙を徹底し、定期的な運動を行い、健康的な食生活を送る人は心不全のリスクが低くなります。