<藤浪晋太郎が激白 第2回>左打者用の秘球を磨く
――左打者に対する対策が課題ですよね。山田バッテリーコーチに話を聞くと「左へは、もうひとつゲームの中で使える球種が必要。特に左打者の外へ逃げていく変化球があれば」と言っていました。「彼は、楽天との交流戦で田中投手の初球からスプリットで勝負してくるピッチングを見て、そういうコントロールのできる球種をもうひとつ手にする大切さを実感したはずだ」とも言っていました。自分ではどう考えていますか? 「対左打者には、膝元のスライダーがウイニングショットになりますが、そこのコースが甘いんです。逃げていく球種、例えば、ツーシーム、シュート、シンカー、チェンジアップという逆方向に流れていく球があればとは考えています。新しい球種を増やすつもりはありませんが、今自分で持っている、そういう逃げる球を磨いていきたいですね」 ――藤浪選手は現段階では多少コントロールが甘くなっても球威の勢いでカバーするタイプの投手でしょう。ただ、コントロールだけを追及しすぎると、その良さが死んでしまう気もするし、絶対に小さくまとまって欲しくないのですが、球威とコントロールというものは両立するものだと考えていますか? 「僕は両立するものだと思っています。精密機械のようなピッチングで150何キロのボールをアウトローにバシバシと何球も投げられるならば無敵ですよね。でも、なかなかそんな人はいません(笑)。球威かコントロールかのどちらかということではありませんが、ある程度は、まとめることはできると考えています」 ――理想は「なかなかそんな人はいません」という、そこですか? 「究極ですね。人それぞれの考え方によるでしょうが、(本格派の投手ならば)誰もが目指すところでしょうね。きちっとアウトローに150何キロのボールを連発できる投手。そこは目指すところでしょう」 ――コントロールは、どうやってつけるものでしょうか? 「徹底した意識だと思います。『絶対にそこへ投げる』、『投げるミスをしない』。そういう意識ですね」 ――メカニック的にはチェックポイントはありますか? 「試合中は、肩がどうとか、膝がどうとかというメカニックの部分は考えません。試合に入ると、感覚の世界ですね。マウンドは練習で培ってきた感覚で勝負する場だと思っています」