物流業界とは?物流企業のビジネスモデル、職種・仕事のやりがい、現状・課題・今後の展望まで解説【志望動機の例文あり】
物流業界の現状と課題
ここでは、物流業界の現状と課題について解説します。 ■物流業界の現状 近年のコロナ禍の影響によって、物流業界ではBtoB(※)の貨物輸送量が大幅に減少しましたが、一般消費者の通販需要が急増したことで、宅配便の市場規模が拡大しています。 ※「Business to Business」 の略。企業が企業に対して物やサービスを提供するビジネスモデルのこと。 物流業界は、国際情勢の影響も受ける業界と言えますが、事業内容の多角化によって、リスクヘッジできている企業もあるようです。 一方、物流業界にはトラックドライバーなどの労働力が不足しており、担い手の減少が急速に進むことも懸念されていますが、物流企業同士での業務提携や、業務を効率化するICT活用などで対応を進める傾向もあります。 ■物流業界の課題 物流業界が抱えている課題について解説します。 【2024年問題(トラックドライバーの時間外労働上限規制)】 2024年度からトラックドライバーに対し、国が定めた「時間外労働の上限規制」が適用されるため、労働力不足がさらに進むことが予測されています。 また、トラックドライバーなどの労働条件向上を図るために、労働時間、拘束時間、休息時間などの基準を定める「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(※)」も改正に向けた検討が行われている状況です。 ※参考サイト:「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(厚生労働省) 現時点でも、長距離運送における輸送手段確保が難しい状況がありますが、受注から配送完了までの所要期間(リードタイム)を延長してドライバーの手配に猶予を持たせたり、 中継拠点でスイッチ輸送する中継型の輸送方法に切り替えたりするなどで対応している企業もあります。 【カーボンニュートラルへの対応】 カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量を合わせることで、脱炭素社会を目指すことを意味します。国は、交通・物流などの運輸部門に対し、2030年度には二酸化炭素排出量を35パーセント(対2013年度比)まで削減することを目標に掲げているため、物流業界にも脱炭素の取り組みを推進することが求められています。 現在、配送にEV車(電気自動車)や自転車を活用する企業が登場しており、また、水素やバイオディーゼルなどを燃料とする配送トラックの開発なども進められています。 さらに、ICT活用によって、配送車両のコンディションや道路の混雑状況などを把握して配送効率を高めるシステムなども開発されています。 【燃料価格の高騰】 近年、国際情勢の影響によってガソリンなどの燃料価格が高騰しています。ガソリンはトラック輸送における主要コストであるため、物流企業の経営に与える影響は少なくありません。今後は、さまざまな面からコストを削減する工夫が求められると言えます。