物流業界とは?物流企業のビジネスモデル、職種・仕事のやりがい、現状・課題・今後の展望まで解説【志望動機の例文あり】
物流業界の今後と最新の動向
物流業界は、今後もECサイトの市場拡大や国際物流の発展などで需要が拡大することが見込まれます。 海外からの輸入貨物が増加している今、グローバルでのサプライチェーン(※1)にデータ活用を取り入れるなどで、効率的により多くの物を運べる仕組みを構築する企業も増えています。 また、国境を越えて取引を行う越境ECにおいては、輸出入に必要な通関業務や各国の個人情報保護法などに対応することも必要であり、業務の効率化や課題解決に役立つソリューションを提案して付加価値を高めている企業もあります。 一方、国土交通省が発表した道路政策の中長期的ビジョン「2040年、道路の景色が変わる」(※2)では、2040年に向けて、幹線道路ネットワークの機能や港湾との連絡が強化された国際物流ネットワークの形成、物流関連ビッグデータの活用支援などを実現していく方針が示されています。自動運転トラック輸送の全国展開や、ロボット・ドローンによる最終配送なども可能となる未来図なども掲げられています。 これから先の数十年は、国の施策として、日本全体が前例のない道路政策のチャレンジに向かうタイミングであり、物流業界もそれに合わせた変革を遂げながら伸びていくことが予想されます。 ※1 製品・サービスを提供するために必要な部品の調達から、製造や配送などを経て消費者の手元に届くまでの一連の流れ。 ※2 参考サイト:「2040年、道路の景色が変わる」(国土交通省) ■「3PLモデル」の普及 3PLとは「3rd Party Logistics(サードパーティー・ロジスティクス)」のことで、原材料の調達から販売に至るまでのサプライチェーンや、その管理プロセスを委託し、自社の経済資源を中核業務に集中させる企業戦略を意味します。 国土交通省によれば、「荷主に対して物流改革を提案した上で、物流業務全般を受託・遂行すること」を意味しており、国を挙げて3PL事業を推進する方向となっています。 荷主でもなく、単なる運送事業者でもない、第三者(サードパーティー)である3PL事業者が、物流業務を代行し、高度の物流サービスを提供することで、初期投資や維持・管理コストの抑制、人材不足解消、労働環境の改善、サプライチェーンの効率化・最適化などの実現を目指します。 3PL事業を手がける代表的な企業としては、大手物流企業が挙げられますが、自社で倉庫や輸送手段・物流拠点などを所有している「アセット型」と、顧客の要望に応じて提携先の物流・倉庫企業を紹介する「ノンアセット型」があります。 ■「モーダルシフト」で環境負荷を低減 「モーダルシフト」とは、トラックなどの自動車で行う貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することを指します。 輸送における環境負荷の低減には、モーダルシフトや輸配送の共同化、輸送網の集約などの物流効率化が有効とされており、資本力のある大手物流企業ではすでにその取り組みを始めています。 国もモーダルシフトの推進に力を入れていく方針のため、今後はその取り組みが広がっていくことが予想されます。 ■「スマート物流」で、物流業界の課題解決へ 現在、ロジスティクスの品質保持・向上や業務の効率化のために、ビッグデータの分析などのICT活用が推進されており、すでに配車計画や在庫管理などの現場オペレーションに活用されています。 また、搬送ロボットの活用による人手不足解消、ドローン活用による過疎地輸送の効率化などの取り組みも行われています。このように、AI技術やIoT(※)技術を物流業務に取り入れ、作業効率を向上させた新たな物流形態を「スマート物流」(IT技術により効率化された物流のこと)と呼び、物流業界のさまざまな課題を解決することが期待されています。 ※「Internet of Things」の略。「モノのインターネット化」とも呼ばれ、モノがインターネット経由で通信することを意味する。