首相、派閥パーティー禁止検討 解消論には自民内賛否割れる
岸田文雄首相は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、派閥による資金集めのパーティー開催を禁止する方向で検討に入った。複数の関係者が16日、明らかにした。自民党政治刷新本部は全党議論を実施した。派閥の在り方を巡り、無派閥議員を中心に解消論が相次いだ一方、役割を肯定する見方も出て賛否は割れた。政権内では、派閥が資金や人事に与える影響力をなくす改革案が有力視されている。 派閥パーティーの収入は億円単位に上るケースがあり、利益率の高さから「事実上の企業・団体献金」との批判がある。改革案には26日召集の通常国会で論戦が見込まれるのに備え、党の姿勢を打ち出す狙いがある。 刷新本部会合は17日に元東京・三鷹市長の清原慶子杏林大客員教授ら外部有識者から意見を聴取。来週も全体会合を開き、国会召集までに中間報告を取りまとめる。 16日の会合には党所属議員約380人のうち150人前後が出席。50人以上が発言し、3時間にわたった。本部長を務める首相は「極めて深刻な事態だ」と危機感を強調。「国民の信頼を回復するため自民党は変わらなければならない」と協力を呼びかけた。