兵庫県知事選、SNSが決め手に? 「偏っている」「デマにだまされた」…“不信”テレビのあり方 『news zero』の課題と悩み
■「おねだり」「パワハラ」疑惑の報じ方
藤井キャスター 「『メディアは偏っている』という声に対してはどうでしょうか?」 小栗委員長 「私たちも反省しなければならない点があります。zeroでもお伝えした『おねだり』や『パワハラ』の疑惑については、兵庫県議会の百条委員会が行った県職員へのアンケートとその中間報告に基づいて報じました」 「ただ、回答した職員が直接聞いていない伝聞の情報も多くありましたし、これはあくまでも中間報告であって『回答内容の真偽は今後の調査によって明らかにすべき』とありました」 「そうしたことにもより配慮して視聴者の皆さんに伝える方法もあったのではないか、また選挙報道においては斎藤知事が行ってきた政策をもっと伝えるべきだったのではないか」 「百条委員会はまだ続いています。そこでの斎藤知事の発言や委員会の結論を、今後もしっかり伝えていこうと思います」
■SNSの“両面” 長濱さんが思うこと
長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー) 「私自身、SNSを使って衆議院選挙の投票の呼び掛けなどを行うなど、とても便利なツールとして使っています。一方で多くの人の興味を引こう、インプレッションを集めようと、なかなか事実確認がされないまま拡散されていて危険だなと感じることもあります」 「SNSはアルゴリズムで、自分に似た考えばかりが流れてきてしまう側面もあるので、私は検索して、賛否どちらの情報も見るようにしたり、新聞やテレビのウェブ記事なども見て、エビデンスがあるかどうかも調べたりするように心掛けています」 「私たち受け取る側のリテラシーが試されているなと思います」
■SNSとテレビは「補い合う」関係
藤井キャスター 「既存のテレビメディアへの不信感にはどう向き合うべきでしょうか?」 小栗委員長 「とても難しい課題をいただいたと思っています」 「ただ、SNSと私たちテレビメディアは対立するものではなく、SNSはスピードや幅広さが強みで、テレビメディアは正確さや公平性などを求められていて、それぞれに強みがあり、補い合っていくものなのではないかという思いを強くしています」 「それだけに、私たちも足らざる点は常に改善し、ファクトチェックなどの役割を強化して、視聴者の皆さんに信頼していただけるよう努力していこうと、改めて話し合っているところです」 藤井キャスター 「今回の知事選挙のみならず、(10月の)衆議院選挙でもSNSが存在感を強くしました。一つ注意しなければならないのは、SNSはユーザーの好みに近い映像や画像が集まりやすいという点です」 「幅広い情報に触れているようで、実は自分で自分に情報を流している側面もあります。他者の意見を取り入れる環境にあるかどうか。SNSもパーフェクトではないと意識して利用することが大切です」 「一つのメディアだけ、もちろんテレビだけでも全てを伝えきることはできません。できると思うこと自体が危険だと感じています。一方そのバランスが取れている人ほど粛々と自分の意見を構築していて、多くの人がその努力を続けていることも忘れたくありません」 (11月19日『news zero』より)