英国国教会のカンタベリー大主教が辞任 教会関係者による性的虐待の責任取り
【ロンドン=黒瀬悦成】英国国教会の最高位であるウェルビー・カンタベリー大主教が12日に辞任した。大主教は、国教会に関係する弁護士が多数の少年らに性的虐待を繰り返していた疑惑への対応を怠ったとして辞任を求める声が高まっていた。 英メディアによると、この弁護士は1970年代から死去する2018年までの40年以上にわたって英国やアフリカで計100人以上の少年や若い男性に性的虐待や暴力行為を働いてきたとされる。 独立系の調査機関による調査結果が先週公表されたところ、国教会の上層部は13年に性的虐待に関する告発があったことを把握し、大主教も告発について知らされたにも関わらず、調査を実施するなどの対応をとらなかった。 大主教は辞表の中で「悪質な虐待の責任をとる」とし、辞任の決断で「国教会が変わることの必要性を真剣に受け止めていることを理解してもらえることを望む」と訴えた。 スターマー首相は辞任の決断を「尊重する」との声明を発表した。