長野五輪そり競技施設の不凍液漏れ、処理に1年 費用は2300万円余 進む老朽化、施設維持の在り方が課題
国内唯一のそり競技施設で長野冬季五輪会場だった「スパイラル」(長野市中曽根)でコースを冷却する不凍液が漏れ出ていた問題で、長野市はコース内の不凍液を全て抜く処理をすると明らかにした。年内にも作業を始める予定。市議会9月定例会に提出する本年度一般会計補正予算案に関連費用2311万円を計上した。 【写真】赤色の不凍液が漏れ出たスパイラルのコース
市スポーツ課によると、総延長1700メートルのコースには配管が埋められ、不凍液230トンを充填(じゅうてん)。7月18日、コース内に赤色の不凍液が約100メートルに渡ってにじみ出ているのが見つかった。人体に入ると健康面で影響が出る可能性がある。抜いた不凍液は、県外の処理施設に運ぶ必要があり、完了まで約1年かかる見込みという。
市は財政負担を理由に、2018年を最後に製氷を中止。老朽化が進み、施設維持の在り方が課題だ。荻原健司市長は27日の定例記者会見で不凍液を再び充填するかを含め「どうするか本格的に考えないといけない」と述べた。