プロ2年目でシーズン200安打を達成ヤクルト・青木宣親が苦労の末に身につけた「打撃のコツ」とは?
今はそこにデータや映像というテクノロジーが加わり、凄まじいスピードで革新的な変化を遂げています。野球界の価値観を変えたターニングポイントという意味で、野村さんの存在は本当に偉大だなと感じています。 ● 「教わる技術」というのは なかなか稀有な能力 尾崎 「自分は人に恵まれていた」と振り返る人がいる。青木さんも過去の指導者の教えや名選手から受けた影響、トレーナーとの運命的な出会いを明かしながらそんな言葉を口にしていた。 でもその経緯や、やりとりを聞いていると、青木さん自身に「教わる才能」、「教わる技術」があったんじゃないかと思う。自分自身に「何か」足りないものがあると思った時、青木さんはただ迷っているだけでなく、能動的にその「何か」を求めに行っている。教えを請うたり、文献を読んだり、データを分析したりして、ヒントを探していく。 人がくれる言葉や教えが全て自分にピタッと当てはまるわけではない。でも、それを自分の言語に翻訳して、自分の体に当てはめていくことで、まだ見ぬ「何か」に落とし込もうとする。 スポーツの世界で身体能力の高さは絶対的な武器であるだろうけれど、その才能を発揮し技術を向上させるためには、誰かの言葉や教えが不可欠だ。人に出会い、人に教わることで能力は引き出されていく。 「教わる技術」というのは、なかなか稀有な能力だ。 青木さんを見ていると、「人に恵まれていた」というのは、決して偶然ではなく、その環境を自ら求め作ってきたからこそなのだと感じる。
青木宣親/尾崎世界観