[混迷フランス政治]左派左翼には選べぬ次期首相、焦点は唯一「中道・左派の連携」のみ
左派内での主導権奪還を狙う「不屈のフランス」のジャン=リュック・メランション氏(右)のスタンドプレイは、外国メディアの報道にも少なからぬ影響を与えている。(C)Alexandros Michailidis/shutterstock.com
フランスで、右翼「国民連合」、左派左翼連合「新人民戦線」、大統領エマニュエル・マクロン(46)の与党連合「アンサンブル」の支持者は、それぞれどのような人たちなのだろうか。総選挙第1回投票の直前にあたる6月27日と28日、大手機関Ipsosなどが世論調査を実施し、これらの解明を試みた 1 。その結果には、少し意外な傾向も浮き彫りになっていた。 まず、性別の支持傾向を見た場合、どの政党も男女比に大きな差は見られなかった。実は、そのこと自体がちょっとした驚きだと言える。こと国民連合に関しては、マッチョなイメージからか支持が男性に偏り、女性には不人気だったからである。しかし、今回の調査では、男性で最多となる36%の支持を得たのに対し、女性の支持も32%で、他の政党を上回った。 『ルモンド』によると、右翼への投票におけるジェンダーギャップは、2012年の大統領選以降消える傾向にあった。その理由として、国民連合を率いる前党首マリーヌ・ルペン(56)が女性であること、男女平等の理念を掲げていること、差別や偏見と結びつきがちだった党のイメージの正常化(dédiabolisation)にも努めてきたことなどが挙げられるという 2 。
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国末憲人