【府中便り】ゴリアットの「トリアシ」でダスゲニーを思い出しました/ジャパンC
今朝、東京競馬場でジャパンC(G1、芝2400メートル、24日=東京)に出走する外国馬の調教を見て来ました。ダートコースに入ったフランスのゴリアット(セン4、グラファール)は、やはり頻繁に左後ろ脚を高く上げていましたね。海外の動画で知ってはいましたがやはり独特で、帯同馬のルノマドと一緒でもすぐに分かりました。専門用語では「鶏跛(けいは)」と呼ぶのだそうです。厩舎用語では「とりあし」とも言われます。アントン・ダヴィ助手もよく聞かれるのでしょう。「生まれた時からあの歩き方なので、痛みなどはないし全く問題ないです。彼の特徴として見ていただければ」と説明してくれました。 彼の歩き方で思い出したのはダスゲニーです。1983年の桜花賞トライアルとオークストライアルを勝ち、桜花賞で2番人気、オークスでは1番人気になりました。それぞれ道悪と距離に泣いてクラシックは勝てませんでしたが、末脚を武器に6歳までタフに活躍しました。馬名の由来から「天才少女」としてファンも多かったのですが、彼女も鶏跛でした。新関厩舎で担当していた元厩務員の西川さんに連絡してみると、懐かしそうに話してくれました。「左トモをニワトリの脚のように上げる歩き方は生まれつきだったね。乗り運動していると1、2、3、ポンというリズム。走りには全然支障はないし、馬が腰を痛めるわけでもない。よく走ってくれましたよ」。ジャパンCとは縁がありませんでしたが、シンボリルドルフが3歳の時の有馬記念に出走しました。 鶏跛も1つの個性なのでしょう。G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制し、前走のG2コンセイユドパリ賞を勝って臨みます。パドックや本馬場入場の時に、ぜひ歩き方にも注目してみてください。【岡山俊明】